「老後資金に不安はない」という人はいないだろう。特に働き盛り、子育て真っ最中の40代は、投資で老後資金を作りたいと思っても、住宅ローン返済や教育資金などで最も出費がかさむ時期で、「何から始めたらよいか分からない」と不安ではないだろうか。
そういう人はまず、次の3つのステップを把握すればいい。まずは全体像をざっくりと知ることで、気持ちに余裕を持って老後の資金づくりができるはずだ。
ステップ1 定年時にいくら貯めておけばよいのか把握する
まずは、定年時にいくら貯めて(増やして)おけばよいのか把握しよう。
貯めておくべき金額は、「老後の生活費」「老後の収入(年金)」「退職金」などをもとに計算する。
例えば、老後夫婦の毎月の手取り収入が20万円、生活費が26万円であれば、毎月6万円分が足りない。この状況が65歳から95歳までの30年間続くと、2,160万円が不足する。退職金が1,000万円もらえるとしても、少なくとも1,160万円貯めなくてはならない。
自分で計算するのが不安な場合、老後資金の本を使う方法もある。
例えば、書籍「書けば貯まる!今から始める自分にピッタリな老後のお金の作り方」では、必要項目を記入していくと、自分の場合はいくら必要かを計算できる(三原由紀著、翔泳社、税込1,650円)。
ステップ2 財布を3つに分けていくら投資に回せるのか把握する
ステップ1を終えたら、貯金や給料を3つの財布に分けて、投資に回せるお金を把握しよう。3つの財布とは「使う財布」「貯める財布」「増やす財布」のことだ。
「使う財布」では、生活費などいつでも引き出せるお金を普通預金に入れておく。
「貯める財布」では、いざというときのためのお金や、1〜5年後に使う予定があるお金を定期預金などに入れておく。入院費や教育費、車の購入費などがある。
「増やす財布」には、10年以上使う予定がないお金を入れておく。これが投資に回せるお金だ。
例えば、45歳の人が「増やす財布」から毎月5万円を投資に回せて、ステップ1で求めた目標額が1,600万円だったとしよう。
毎月貯金しただけでは65歳までの20年間で1,200万円しか貯まらない。しかし、金利3.5%の複利で増やせれば、1,600万円を達成できる。
ステップ3 自分に合った投資方法を選ぶ
ステップ2まで終えたら、いよいよ投資を始める。投資方法はさまざまだが、リスクを抑えながら資産運用をするなら、つみたてNISAやiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)が選択肢に上がってくる。
つみたてNISAは、少額からの長期・積立・分散投資を支援するための制度だ。投資で得た利益に、最長20年間税金がかからない。
私的年金であるiDeCoも、運用で得た利益に税金がかからない。掛け金は60歳まで引き出せないが、その点を利用すれば強制的に積立投資を続けられる。
投資で老後資金づくりをするなら早めのスタートを
「住宅ローン完済のめどが立ったら」「子育てがもうひと段落してから」などと老後資金づくりを先延ばしにしていると、定年が目前に迫ってから焦ることになりかねない。
投資で老後資金づくりをするなら、定年まで20年前後ある40代のうちに始めておくのがよいだろう。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
(2022年7月13日公開記事)
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