収入のない専業主婦や、扶養の範囲内で働いているパート主婦が、将来のためにつみたてNISAを始めることはメリットがあります。家計の余裕資金の有効活用につながるからで、始めたほうがいい理由は主に2つあります。
理由1 夫のお金で投資しても贈与税がかからない
専業主婦やパート主婦は収入がなかったり少なかったりしますが、夫の給料でつみたてNISAの投資ができ、一定額以下なら贈与税もかかりません。
その額は110万円以下です。というのも、贈与税がかかるのは1年間にもらった財産の合計から、基礎控除の110万円を差し引いた残りについてだからです。つまり、受け取った財産が110万円以下なら贈与税はかからず、確定申告も必要ありません。
つみたてNISAの年間の非課税限度額は40万円ですから、全額を夫が負担しても、基本的に贈与税はかからないわけです。
しかし、同じNISA(少額投資非課税制度)でも、つみたてNISAではなく、一般NISAの場合は注意が必要です。なぜなら一般NISAの年間の非課税限度額は120万円なので、上限まで夫が負担すると110万円を超えてしまします。その場合は、贈与を受けた妻が贈与税を納めなければなりません。
贈与を受けてNISAの非課税投資をするなら、限度額まで投資しても贈与税がかからないつみたてNISAのほうがよいでしょう。
理由2 つみたてNISAでいくら利益が出ても扶養を外れない
専業主婦やパート主婦などがつみたてNISAで利益を得ても、扶養からは外れません。つみたてNISAの利益は非課税所得であり、扶養を判定するときの所得金額には加算されないからです。
つまり、つみたてNISAの運用が上手くいって大きな利益を得たとしても、扶養を外れる心配はないのです。
つみたてNISAを20年運用すると……
つみたてNISAで毎月3万円を年利3.0%で20年積み立てると、20年後は元利合計で約985万円(元本720万円・運用益約265万円)です。預貯金だけではお金はほとんど増えませんが、つみたてNISAでコツコツ積み立てを続けると大きな差がつくかもしれません(将来の受取額は不確定ではありますが)。
専業主婦・パート主婦がつみたてNISAの運用をすると、夫婦の生活設計にもプラスになるでしょう。妻にとっても自分名義の財産が作れる点がメリットです。
つみたてNISAの運用商品は主に投資信託であり、損をする可能性もあります。その点を頭に入れて検討してみてはいかがでしょうか。
文/編集・dメニューマネー編集部
(2022年7月21日公開記事)
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