ボーナスなどでまとまった資金が手に入ると、住宅ローンの繰り上げ返済などに充てたくなりますが、焦って繰り上げ返済するのは考えものです。手元にあるお金は投資の資金にしましょう。まとまった資金があるのなら、住宅ローンの繰り上げ返済より、投資で増やしたほうがお得です。
住宅ローンの繰り上げ返済──利息減少額は45万円
住宅ローンの繰り上げ返済をした場合、どれくらいのメリットがあるのでしょうか? 3000万円のローンを30年で組み、10年で返した場合の例を見ていきましょう。ずっとボーナスなどを貯蓄して得た、手元の500万円を住宅ローンの繰り上げ返済に充てたとします。
その際、金利1.0%の場合、95万円しか期間短縮されず、金利0.5%のときは、25万円しか返済軽減されません。
金利0.5% | 金利1.0% | |
---|---|---|
期間短縮 | 約45万円 | 約95万円 |
返済軽減 | 約25万円 | 約52万円 |
住宅ローンはそもそも金利が低いため、まとまった資金を繰り上げ返済に充てても、意外と利息の減りは小さいのです。
住宅の取得時期によっては13年になりますが、返済から10年経っていなければ、住宅ローン減税が減ることにも注意すべきです。住宅ローン減税の額は、住宅ローン残高に応じて決まるため、繰り上げ返済で減ることがあります。
高配当株への投資──利回り8%の銘柄なら10年後に1,000万円超に
また、高配当銘柄に投資した場合、どれくらいのメリットがあるのでしょうか?
例えば、ずっとボーナスなどを貯蓄してきた、手元の500万円を高配当銘柄に投資し、利回り8%で運用できれば、10年後には約1,110万円になり、610万円増えます。20年後なら約2,463万円になり、なんと約1,963万円も増えます。
投資の成果を左右するのは、元手の大きさと、投資期間です。まとまった資金を長期間にわたって運用することで、想像以上に大きなリターンを得られます。
この計算は、あくまでシミュレーションで、利益を保証するものではありません。税金や手数料は考慮していないので注意してください。
利回り約8%の高配当銘柄にはどんなものがあるのか?
このように住宅ローンの繰り上げ返済をするよりも、高配当銘柄に投資したほうがお得ということが分かりました。
「お金が貯まったら繰り上げ返済を!」と考える人は多いですが、住宅ローンは格安金利でお金を借りられるお得な制度です。早く返すことにとらわれず、手元資金を投資で増やすことを考えてみてください。
実際に、利回り約8%の高配当銘柄は存在します。海運業で国内トップの売上を誇る日本郵船 <9101> の利回りは7.58%、たばこブランド「マルボロ」で有名な米国企業アルトリアグループ
ライフプランや投資のリスクも考慮して判断しよう
ただし、「退職を間近に控えており、住宅ローンを完済しておきたい」など、ライフプランによってもどちらを優先すべきかは変わります。また、投資にはリスクがあり、高配当銘柄といっても、購入時より株価が下がったり、配当金が減ったりすることもあり得ます。
ライフプランや投資のリスクも考慮しながら、賢いお得な選択をしましょう。
文・木崎 涼(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
(2022年7月26日公開記事)
【MONEY TIMES(外部)関連記事】
・米国株の高配当利回りランキングTOP10
・投資アプリのおすすめ14選 ほったらかし投資、少額投資など
・初心者向け!ネット証券オススメランキング
・ネット証券NISAランキング
・米国株・1万円以下で買える銘柄を紹介