連載　「恋愛×マネー」研究──お金で買えないものはない？

恋愛の相手を選ぶ基準が「愛情」だという意見はもっともです。それは否定しませんが、「お金」も基準の一つとして持つこともまた、否定すべきではありません。資本主義社会で暮らしている以上、パートナー選びから、お付き合い、結婚などあらゆる場面・ステージに、「お金」という尺度を持って臨んだほうがいいでしょう。それは男性でも女性でも、老いも若きも同じです。本連載では、恋愛におけるさまざまなシーンを題材にし、マネー・お金を軸にした見方・考え方を検証。物心両面で満ち足りた、自分の理想の暮らしを手にするための戦略を考察していきます。

第1回　玉の輿を狙う婚活女性が検討すべき3つの男性像

第1回は典型的ですが、女性の視点からみた「玉の輿」について。筆者が考える、玉の輿を狙う婚活女性が検討すべき「3つの男性像」について解説します。

合コンに来たAさんとBさん　どちらを選ぶ？

あなたが玉の輿を狙う婚活中の女性だったとして、次の2名が合コンに来たらどちらのことを「いいな」と思いますか？

Aさん（32歳）
総合商社勤務：年収1,500万円
貯金：1,000万円
兄弟姉妹：なし（一人っ子）

Bさん（32歳）
中小企業勤務：年収500万円
貯金：200万円
兄弟姉妹：なし（一人っ子）

実際には初対面でここまでの情報は得られないでしょうが、すべて事実だと仮定します。容姿や性格を無視して、済的条件だけを見れば、年収が高く貯金も多いAさんに人気が集中するはず。なかには、この段階でBさんをユニバース（選別対象）から外す婚活女子もいるでしょう。しかし、本当にAさんを狙うべきなのでしょうか？

重要なのはメンズP/LとメンズB/S－－男性を会社に見立てて「企業会計」の視点で男性を見る

玉の輿を狙って男性を値踏みするなら、男性を一つの「会社」と見立てて、企業会計と同じように財務状態を測ってみることです。

企業会計では、会社がある一定期間に出した損益を表す「損益計算書（P/L）」と、会社が持つ資産を一覧化した「貸借対照表（B/S）」があります。これらを男性に当てはめて、

「メンズP/L」、「メンズB/S」を見るわけです。

P/Lは、大まかに言うと「売上―費用＝利益」です。「メンズP/L」に置き換えると「年収―税金や生活費といった経費総額＝キャッシュフロー」です。

同じくB/Sは「総資産―借入金＝純資産」です。メンズB/Sに置き換えると、総資産は預貯金、株式や債券などの有価証券、不動産など男性が保有するすべ全の資産を指します。住宅ローンを組んで家を買っていたり、アパートローンを組んで不動産投資をしていたりする場合は、借入金の分も総資産としてカウントされることに注意が必要です。

メンズP/L……年収―税金や生活費といった経費総額
メンズB/S……預貯金や株式・不動産などすべての資産－借金

高年収や潤沢な純資産を持つP/Lリッチ・B/Sリッチは競争率が高い！注目すべき「裏メンズB/S」

こうして考えると、当然、年収が高い人（P/Lリッチ）や純資産が大きい人（B/Sリッチ）は高い競争率になるでしょう。

そこで、レッドオーシャンを避けるカギとなるのが「親の財産」です。つまり、現時点の本人のB/SやP/Lには存在しないが、いつかは反映される財産の有無を確認するということです。 原則として、子どもは親の財産を相続する権利があります。仮に、親が「赤の他人に全財産を渡す」と遺言書を書いていたとしても、子どもは最低でも相続財産の4分の1を確保できると法律で定められています（子どもが複数いるときは、その4分の1を子ども達で均等配分します）。

つまり親の財産（正確には純資産から相続税を引いた金額）は、どこかのタイミングでメンズB/Sに計上されるわけです。当然ながら、現状の「メンズB/S」には影も形もありません。ただ、遠くない将来、間違いなく登場するわけです。これはいわば「裏メンズB/S」と言えるでしょう。富裕層であれば、相続財産は最低でも数億円、場合によっては10億円を超える金額になります。

潤沢な裏メンズB/Sを持つ「親リッチ」を狙う

ここで、「本人のスペックはそこまでではないが潤沢な裏メンズB/Sを持つ男性」を「親リッチ」と呼ぶことにしましょう。そんな「親リッチ」と結婚しても、親が死去しない限り、財産を自由にできるわけではありません。しかし、そのトレードオフとして競争率が低くなる傾向にあります。

冒頭の合コンでは、Aさんに人気が集まったと思います。しかし、実家について次のような情報が耳に入れば、判断を変える人も出てくるのではないでしょうか。

Aさん（32歳）
総合商社勤務：年収1,500万円
貯金：1,000万円
兄弟姉妹：なし（一人っ子）
実家：一般家庭（純資産3,000万円）

Bさん（32歳）
中小企業勤務：年収500万円
貯金：200万円
兄弟姉妹：なし（一人っ子）
実家：都内にビルを2棟所有する不動産オーナー（純資産5億円）

実家の情報が入った途端、Bさんのほうがよさそうに見えてはこないでしょうか。Bさんの実家は不動産オーナーで、純資産が5億円もあります。おそらくは、Aさんが総合商社勤務のまま5億円を築くのは相当難しいでしょう。今後、年収が上がって、毎年1,000万円を貯蓄に回せるようになっても約50年かかります。

玉の輿を狙う婚活女子が検討すべき3つの男性像

最後に
改めて、玉の輿を狙う婚活女性が検討すべき３つの男性像をまとめてみます。

男性像１　
キャッシュフローが潤沢な「P/Lリッチ」 →　勤務医や外資系金融、総合商社勤務などの高所得者

男性像2　純資産が潤沢な「B/Sリッチ」
→　優良な中小企業経営者、投資で財産を築いた人など手元資金が厚い人

男性像３　潤沢な裏メンズB/Sを持つ「親リッチ」
→　本人はそこまでではないが、親が富裕層であり、将来的な資産承継がほぼ確定している人

あなたが「いま自由に使えるお金がたくさんあること」を重視するなら、男性像1や２の P/LリッチやB/Sリッチを狙えばいいでしょう。ただ、「将来の経済不安から払拭されること」を重視するなら、いっそのこと男性像３を狙うといい。その男性が現時点で男性像１や２のようなP/LリッチやB/Sリッチでなければ、きっと競争率は高くないはずです。

実際には、P/LもB/Sも親もすべてピカピカという男性はなかなかいないでしょう。たとえいたとしても、相当競争率が高いはずです。自分が玉の輿に求めている優先順位を改めて整理したうえで、どのタイプを重点的に探すべきか考えてみてはどうでしょうか。

文・元証券マンの恋愛相談所長K
編集・dメニューマネー編集部

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