50代、下回っているとまずい「最低貯金額」はいくら?世帯別に解説

2022/08/20 17:00

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自分の今の貯金額は少ないのか、将来足りなくなる可能性はあるのか、そんな不安を持つ方は少なくありません。特に50代となると老後の生活を強く意識する頃で、人によっては住宅ローンや多額の教育費負担などを抱えています。それでは、「ここまで貯めておかないとまずい」という最低限の貯金額はいくらなのでしょうか。50代でも貯金できてい

自分の今の貯金額は少ないのか、将来足りなくなる可能性はあるのか、そんな不安を持つ方は少なくありません。特に50代となると老後の生活を強く意識する頃で、人によっては住宅ローンや多額の教育費負担などを抱えています。それでは、「ここまで貯めておかないとまずい」という最低限の貯金額はいくらなのでしょうか。

50代でも貯金できていない人は多い

金融広報中央委員会が2019年に実施した「家計の金融行動に関する世論調査」によると、50代の単身世帯の4割近くが「金融資産をまったく持っていない」と答えています。ここでいう「金融資産」とは、普段の生活や引き落としのために置いているお金以外のことで、運用や将来の備えにあてるために保有している預貯金や株式、貯蓄型の保険などを指します。同じ50代でも、2人以上の世帯では「金融資産ゼロ」は2割程度です。50代の単身世帯の金融資産保有額(中央値)は54万円、2人以上世帯は600万円と、こちらも大きな差がついています。単身の方は、子ども関連の出費がなく、支出を抑えやすい傾向があります。でも、それが原因で子育て世帯に比べて危機感を持ちにくくなり、貯蓄できないまま老後を迎える方も多いです。

「最低限ここまで貯めておかないと危ない」貯金額はいくら?

必要な貯金額は、その人が今までどんなライフスタイルを送ってきたのか、どんな老後が理想なのかなどによって大きく変わります。子どもの有無、住宅ローンの有無、退職金の有無も影響します。自分の場合はどうなるのか、今後の人生で「かかるお金」と「もらえるお金」を計算してみることが大切です。

• 基本ルール「最低限貯金しておきたい額 = 今後かかるお金 - 今後もらえるお金」

夫婦+子ども(高校生)1人の場合の例

今後かかるお金:老後資金+教育費(大学進学費)+住宅費(ローン残債)

60歳~90歳まで30年間老後があるとして、その間月平均30万円で暮らしていくとすると1億800万円。通常、退職後や子どもの独立後はそれまでより出費が抑えられます。子どもが文系私立大学に進学したと想定。自宅からの通学の場合、4年間の教育費は700万円、住宅ローン残債1,000万円とすると合計は1億2,500万円。

今後もらえるお金:退職金+年金

夫が会社員、妻が扶養内のパートと想定します。夫の退職金2,000万円、年金が2人合わせて月23万円×25年(65歳~90歳)で合計8,900万円。

この例では、かかるお金ともらえるお金の差額は3,600万円です。60歳までにこの金額を貯める、もしくは生活費を月25万円で抑えるように工夫する(-1,800万円)、夫婦で月10万円分、60~70歳まで働く(+1,200万円)といった方法もありますね。

50代でこの状態だと危ない!老後破産の3つの前兆

老後にお金が尽きて困ってしまう人は、50代のときにどんな生活をしてどんなお金の使い方をしているのでしょうか。「こんな状態だと、将来いつか老後破産に陥ってしまうかも」という50代の特徴は次の3つです。

・貯蓄がないor 極端に少ない
・自分の年金額や退職金額を把握していない
・住宅ローン返済や子どもの進学資金の出費が10年後以降も続く見込み

心当たりがある人は、急いでお金の使い方や将来の資金計画を見直しましょう。

もう50代、でもまだ50代

昔は50代というと人生の終盤のような扱いで「もうすぐ仕事を引退、その後はしばらく悠々自適に年金生活」という方が多かったと思います。ただ、近年は「人生100年」とも言われ、50代だとやっと折り返したばかりで、あと40~50年ずっと人生が続く可能性も。

仕事、収入、体力が減っていく中でもしあわせに過ごし続けるためには、どうしてもお金の計画が欠かせません。理想の老後のために、現在と将来のお金について一度じっくりと考えてみてはいかがでしょうか。

文・fuelle編集部

(2022年8月14日公開記事)