不動産投資をしているのはこんな人たち

2021/12/29 10:00

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連載 不動産投資「初心者」入門 「不動産投資」と聞くと、いかにもお金に余裕がある、羽振りのいい“オジさん”たちの投資と思っていませんか?ところが、不動産投資に関するさまざまなデータを調べてみると、必ずしもそうとは限りません。 「年代」では最も多いのが意外にも30代以下 大手総合不動産会社・野村不動産グループの不動産投資

連載 不動産投資「初心者」入門

「不動産投資」と聞くと、いかにもお金に余裕がある、羽振りのいい“オジさん”たちの投資と思っていませんか?ところが、不動産投資に関するさまざまなデータを調べてみると、必ずしもそうとは限りません。

「年代」では最も多いのが意外にも30代以下

大手総合不動産会社・野村不動産グループの不動産投資サイト「ノムコム・プロ」が会員を対象に行なった調査(2019年6月)をもとに、どんな人たちが不動産投資をやっているのかをみていきます。

最も多く割合を占めているのは60歳以上の23.3%でした。次いで50~54歳が22.3%、55歳〜59歳の17.8%と、50代以上で6割を超えています。これだけをみると「やっぱりオジさんの投資じゃないか」と思われるかもしれません。なお、30代は7.8%、20代は0.4%と30代以下は8.2%でした。

ただ、「少ないじゃないか」と思われる前に、ひとつ考えて欲しいことがあります。それは日本の人口において若年層が占める割合が少ないということです。

日本の総人口に占める、各年代の割合は20代が約10.1%、30代が約11.0%、40代が約14.4%、50代が約13.3%、60代以上が約34.7%です(総務省統計局の人口推計・2021年3月報による)。60歳以上が多いのは、収入や貯蓄が増えて、金融リテラシーが向上していることもありますが、そもそも人口が多いのです。

「年収」は1,000万円なくてもOK

年収別ではどうでしょうか。やはり高給取りでないと不動産投資はできないのでしょうか。

調査結果によると、年収1,000万円以下の人が30.1%と3割を超えています。

詳しい内訳を紹介すると、次のとおりです(未回答が15.1%)。

~600万円が13.3%
601万~800万円が8.4%
801万~1,000万円が8.4%
1,001万~1,200万円が12.3%
1,201万円~1,500万円が11.7%
1,500万~2,000万円が12.7%
2,000万円超が18.2%

これとは別の調査から年収と不動産投資との関係を見ましょう。

総務省の調査によると、住居以外に貸家用住宅を所有している人の世帯年収を見てみると、300万円〜500万円未満の人が一番多く、24.5%でした。ついで500万円〜700万円の16.8%、700万円〜1,000万円が16.2%となっています(総務省統計局2019年9月公表の「平成30年住宅・土地統計調査」)。

こちらのデータには、相続などで賃貸経営を始めた人も含まれていますが、大手不動産会社の調査結果と似たような結果を示しています。年収が高くなくても十分に不動産投資はできるということを示しているのではないでしょうか。

「職種」は会社員が大半

続いて職業についてみていきましょう。先ほどの調査によると、会社員という回答が過半数に迫る48.7%で最多。次いでオーナー経営者11.5%。専業の不動産投資家は8.8%でした。

このほか、自営業者が6.1%、公務員・教職員が3.9%、医師が2.5%、弁護士・会計士・税理士などが2.0%、パート・アルバイトが1.2%です。多くの人たちが会社で働きながら、不動産投資をしていることが分かります。

大手企業の社員などは融資が受けやすい

ノムコム・プロが2020年6月に行った同様の調査では、投資用物件を購入した理由で最も多かったのは、「よい条件で融資が受けられたため」でした。

不動産投資でワンルーム物件でも1,000万円前後の金額となり、マンション一棟だと1億円を超える物件も少なくありません。そのため、不動産投資では金融機関のローンを利用するケースがほとんどです。

「よい条件で融資を受けられる」人たちはどんな人たちでしょうか。金融機関では融資に関して審査を行います。融資審査では、勤務先、年収、金融資産、家族構成、年齢、信用情報などがチェックされるといわれています。長期にわたるローンの返済には、雇用が安定しているかどうかは重要だからです。安定的な収入が期待できる上場企業の社員や官公庁などの公務員などは「属性」が高いという評価になるようです。

大企業の社員や公務員じゃなくても大丈夫

ただ、「自分は上場企業の社員じゃないし、公務員でもないから私は不動産投資に向いていない」と思うのは早計です。なぜなら「不動産投資ローンの融資基準」が「融資を受ける人の属性」だけで決まるわけではないからです。

ほかには、物件の「収益性」と「資産価値」が重視されます。「収益性」とは稼げる不動産かどうかということです。「資産価値」が重視されるのは、お金を貸してくれる金融機関は購入する不動産を融資の担保にするからです。「属性」が高いことは条件的に有利になること間違いないと思いますが、不動産投資はそれだけではないのです。

「不動産投資は高年収の人、高齢の人がやるもの」と思っていた人も、実際にデータを見ると決してそんなことがないと分かったと思います。不動産投資は“投資”というよりもむしろ“ビジネス”に近いとも言われています。「自分にはできない」と決めつけずにいろいろと調べてみてはどうでしょうか。

文・株式会社フロア
編集・dメニューマネー編集部
(2021年4月3日公開記事)

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