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「高配当」が魅力のアメリカ株、配当をもらう際の落とし穴と対策

2022/08/28 19:00

アメリカの企業の多くが配当を年に4回支払うため、配当目的の投資家も少なくありませんが、配当金は日米両国から課税され、この二重課税分は手続きで取り戻せないケースもあり、注意が必要です。 アメリカ株の配当には日米両国から課税される アメリカ企業から支払われた配当金は、まずアメリカで税金10%、次いで日本で20.315%が源

アメリカの企業の多くが配当を年に4回支払うため、配当目的の投資家も少なくありませんが、配当金は日米両国から課税され、この二重課税分は手続きで取り戻せないケースもあり、注意が必要です。

アメリカ株の配当には日米両国から課税される

アメリカ企業から支払われた配当金は、まずアメリカで税金10%、次いで日本で20.315%が源泉徴収され(アメリカでの税引き後の金額に対して)、日米両国から二重に税金を引かれるわけです。

たとえば1万円の配当が支払われても、合わせて約30%の税率なので手取りは約7000円になってしまうのです。

税金を取り戻せる外国税額控除とは?

二重に取られた税金を取り戻すには、確定申告で「外国税額控除」を受けなければいけません。

外国税額控除とは、外国と日本で二重に課税された税金のうち、外国の税金分に相当する金額を差し引く制度です。

外国税額控除で差し引ける金額は、次のうちいずれか少ない金額(控除限度額)です。

1 外国所得税額(アメリカで配当金から引かれた税額の1年分の合計)
2 所得税額×国外所得総額(アメリカ株の配当の1年分の合計)÷所得総額

2の所得税額とは、1年分の所得税額から住宅ローン控除などの税額控除を差し引いた税額です。また、所得総額はその年の給与所得などすべての所得の合計です。

注意すべきは、外国税額控除によって、必ずしもアメリカで引かれた税額が全額控除されるわけではないことです。

たとえば、上の式1に相当する金額(アメリカで配当金から引かれた税金)が1000円で、同じく2の金額が500円だったとすると(所得税額×国外所得総額÷所得総額)、所得税から控除できるのは500円となります。

このようにアメリカで支払った税金分を所得税から控除しきれない場合、一定の割合で住民税からも控除が受けられます。

NISA口座で投資してもアメリカでは課税される

ここで気になるのが、NISAではどうなのかという点です。NISA口座で投資すると、利益には課税されませんが、アメリカ株の配当金には課税されないでしょうか。

この場合、配当金に対してアメリカなど外国では税金がかかります。非課税なのは日本国内の分だけです。

会社員も確定申告して税金を取り戻そう

配当はアメリカ株投資の大きな楽しみですが、アメリカ国内で必ず税金を引かれてしまいます。アメリカで引かれた税金を取り戻すには、確定申告をしなければなりません。

確定申告の必要ない会社員や、源泉徴収のある特定口座で取引している人でも確定申告をして還付を受けましょう。

文・松田聡子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部

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