あなたは大丈夫?年金を月20万円以上もらうには20代で年収400万円以上必要です

2022/10/29 11:00

https://money.smt.docomo.ne.jp/image/L7SM7v0dSiyppN32vlqCzg.jpg
2022年4月分からの年金額(月額)は、標準的な夫婦2人世帯で21万9,593円となりました。しかし、これには2人分の年金が含まれています。1人で年金を20万円以上受け取るには、20代や30代でどれくらいの年収があればよいのでしょうか。20代は413~494万円、30代は503~602万円会社員の場合、老後の公的年金は

2022年4月分からの年金額(月額)は、標準的な夫婦2人世帯で21万9,593円となりました。しかし、これには2人分の年金が含まれています。

1人で年金を20万円以上受け取るには、20代や30代でどれくらいの年収があればよいのでしょうか。

20代は413~494万円、30代は503~602万円

会社員の場合、老後の公的年金は「老齢基礎年金(国民年金)」と「老齢厚生年金(厚生年金)」の2つです。前者は満額で月に6万4,816円(2022年4月から支払われる分)で、収入による違いはありません。後者は加入期間中の収入によって変動します。

老齢厚生年金の中心となる「報酬比例部分」は「平均標準報酬額×5.481÷1000×加入期間の月数」で計算されます(2003年4月以降の加入分)。20~64歳の45年間働くと仮定して、老齢基礎年金も加味して計算すると、老後に20万円以上受け取るには生涯を通して平均的に55万円の月収があればよいと算出できます。年収に直せば660万円、生涯年収は2億9,700万円です。

【老齢年金の目安】
平均標準報酬額 老齢厚生年金(※1) 老齢基礎年金(※2)月額 公的年金の月額
年額 月額 月額
50万円 147万9,870円 12万3,323円 6万4,816円 18万8,139円
55万円 162万7,857円 13万5,655円 6万4,816円 20万471円
60万円 177万5,844円 14万7,987円 6万4,816円 21万2,803円
※1.2003年4月以降に20~64歳(540ヵ月)加入した場合の報酬比例部分
※2.2022年4月以降における満額

出典:日本年金機構 令和4年4月分からの年金額等について
出典:日本年金機構 報酬比例部分

一般に収入は年齢に応じて上昇するため、「昇給率」を加味しましょう。経団連の調査によると、2022年の昇給率はおよそ2%となりました。

【2022年の昇給率】
・大手企業:2.27%
・中小企業:1.92%

出典:日本経済団体連合会 2022年春季労使交渉・大手企業業種別妥結結果(加重平均)
出典:日本経済団体連合会 2022年春季労使交渉・中小企業業種別妥結結果(加重平均)

同じく昇給率2%で計算すると、初年度におよそ413万円の年収があれば生涯年収2億9,700万円にほぼ届きます。このとき、20~29歳の年収は413~494万円、30~39歳の年収は503~602万円となります。

1.年金を月20万円以上もらうには20代で年収400万円以上必要です
(画像=著者作成)
2.年金を月20万円以上もらうには20代で年収400万円以上必要です
(画像=著者作成)

年金の計算は「ねんきんネット」が便利

紹介した年金額はあくまで平均的なものです。実際には個々の事情で年金額は変動します。年金の見込み金額は、日本年金機構の「ねんきんネット」でシミュレーションできるため、そちらも参考にしてください。

参考:日本年金機構「ねんきんネット」による年金見込額試算
出典:日本年金機構「令和4年4月分からの年金額等について」

文・若山卓也
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業、保険募集代理業、金融ライターとして活躍中。証券外務員一種、AFP、プライベートバンキング・コーディネーター資格保有。

(2022年10月26日公開記事)