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渡辺徹さんの命を奪った「敗血症」は保険が効く?公的支援は?

2022/12/07 07:00

俳優の渡辺徹さんが11月28日、敗血症のため61歳で亡くなった。敗血症はあまり聞きなれない病名かもしれないが、誰にでも起こりうる症状で、命の危険もある。一体、どんな症状なのだろうか。また治療に保険は適用されるのだろうか。 敗血症は感染症がきっかけで起こる臓器障害 敗血症とは、細菌感染によって全身反応が起こり、重要な臓器

俳優の渡辺徹さんが11月28日、敗血症のため61歳で亡くなった。敗血症はあまり聞きなれない病名かもしれないが、誰にでも起こりうる症状で、命の危険もある。一体、どんな症状なのだろうか。また治療に保険は適用されるのだろうか。

敗血症は感染症がきっかけで起こる臓器障害

敗血症とは、細菌感染によって全身反応が起こり、重要な臓器の障害が引き起こされることをいう(日本産婦人科医会による)。何らかの感染症を引き起こしている細菌やウイルスが全身に広がり、心臓や肺などの臓器がうまく機能しなくなってしまい、症状も影響を受けている臓器によってさまざまだという。

初期の症状としては、「熱や汗が出る」「寒気がする」などで、悪化すると、「心拍数や呼吸数が増える」「血圧が下がる」「排尿がうまくできなくなる」「意識がはっきりしなくなる」などの症状が現れることが多いようだ。

敗血症にかかりやすいのは高齢者や乳幼児

敗血症にかかるリスクが高いのは、感染症にかかりやすい高齢者だ。実際に、敗血症患者の年齢の中央値は76歳と高齢であると、医師は指摘している。

その他に、まだ免疫力がついていない乳幼児、糖尿病や高血圧などの慢性疾患がある人、がんなどの基礎疾患がある人もリスクが高いとされている。

2017年に敗血症にかかった人はおよそ35万人もいて、敗血症で亡くなった人はおよそ6万人。敗血症にかかる人や亡くなる人は年々増えているという(千葉大学などの研究グループ)。

敗血症の治療に保険は効く?公的支援は?

敗血症の治療には、保険が適用されるものもあるが、治療法は感染症の原因となっている細菌やウイルスや、かかった人の持病などによって変わるため、一概に保険が適用されるとはいえないようだ。

治療法の例としては「抗菌薬や抗ウイルス薬を使う」「手術する」「血圧を上げる薬を点滴で投与する」「人工呼吸器で高濃度酸素を投与する」といったものが挙げられる。

東京都内のある病院では、敗血症にかかった人の平均入院日数は19.3日、平均費用は82万円で、保険が適用されて3割負担になると平均費用は24万6,000円だという(高額療養費制度については考慮していない)。

現時点では公的支援などはなく、これらの費用を見ると、負担は決して軽いとはいえないだろう。

文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
画像・manbo / stock.adobe.com(画像はイメージです)

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