リモートワークの普及で田舎や地方への移住が注目されていますが、その背景にあるのは「田舎の生活費は都会より安い」というイメージでしょう。実際に田舎での生活は都会よりも安いのでしょうか。

都会の生活費は約8.5万円、田舎は4.6万円

都会と田舎の生活費を比べるため、15畳程度の部屋で一人暮らしする場合のコストをそれぞれ見ていきましょう（総務省の統計参照）。

東京都では家賃が約7.5万円、水道光熱費が約1万円です。東京以外の都市圏──大阪、愛知など──なら家賃が約4.5万円、水道光熱費が約1万円です。

これらの大都市圏以外の自治体では、敷地面積15畳の家賃が約3.3万円、水道光熱費が約1.3万円です。

これらから分かるのは、大都市圏以外は家賃が安いものの、水道光熱費は高いことです。地価が低いため家賃は安いのですが、水道光熱費は事業者が少なく競争が少ないので、値段が高くなるのでしょう。

また、田舎の都市ガスが通っていない地域ではプロパンガスを購入する必要があるため、都市ガスよりも値段が高くなります。

生活費は田舎のほうが安いがデメリットもある

こうしてみると、田舎のほうが基本的な生活費は安いですが、車が必須だったり商業施設や医療機関が少なかったりといったデメリットもあります。

また当然のことながら、田舎といってもすべてが同じではありません。地域によって習慣も住んでいる人たちの考え方、傾向も異なります。

特に都会に住んでいるうちは、田舎暮らしへの漠然としたイメージや憧れを持っていることから、自然の豊かさや生活費の安さといった点に目が行きがちですが、田舎にも住みづらさを感じさせる要因はあるはずです。

生活費が安くなるといった良いところだけでなく、注意すべきことも少なくないことを念頭に置いた上で、情報収集と、できればお試しの移住などを経験したうえで、移り住む場所を決めたほうがいいでしょう

文/編集・dメニューマネー編集部

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