親がもうすぐ年金生活に入るという人は、住宅ローンが残っているのか、残っているならどれくらいかを確かめたほうがよいでしょう。というのも、返済額が多いまま年金生活に入ると、親が「老後破産」するリスクが高まるからです。親の中には、「子供に心配をかけたくない」と相談しない人も多いはず。親の老後破産を防ぐため、次の3つのことを確かめておきましょう。
確認したいこと1 完済年齢を確認する
住宅ローンを親が組んでいるなら、必ず確認しておきたいのが「完済年齢」です。定年退職までに完済予定ならリスクは大きく下がります。
住宅ローンを組む年代は30代が多く、新築住宅の返済期間の平均は30年を超えています(国土交通省住宅動向調査、2021年)。60代後半や70代になっても、住宅ローンの返済が残っていることは十分にあり得ます。
退職後も住宅ローンの返済が続く予定なら、現役時代にできる限り繰り上げ返済をしましょう。就業規則などで退職金をチェックしておくことも大切です。
確認したいこと2 修繕費の積立を提案する
住んでいるのが戸建てなら、水廻り設備のリフォームや外壁の塗り替えなど「修繕費」がかかります。マンションの場合は修繕積立金を払っているでしょうが、戸建ては自分で貯めない限りそうした制度はありません。
その住宅の修繕費は100万円を超えることもあります。計画的にお金を用意しておかないと、老後破産のリスクが高まります。
水廻り設備や外壁の寿命は10~20年といわれています。どのくらいで修繕費が必要になるかを予想し、計画的に積み立てておくことをあらかじめ親に提案しておきましょう。
確認したいこと3 シミュレーションしてバランスのとれた収支を見極める
年金生活に入ってからの収支をシミュレーションしておくことも大事です。
まずは、年金や退職金をいくらもらえるかを確かめておきましょう。「退職金で住宅ローンを返済できるか」「残った退職金と年金で生活できるか」が重要なポイントです。
老後の生活費について「いざとなれば生活保護を受ければいい」と考える人がいますが、住宅ローンがあると、生活保護を受けることはできません。収支のバランスを踏まえ、必要に応じて再雇用や再就職を考えましょう。
住宅ローンは、老後破産を招く大きな要因です。早めに親と話し合い、対策を考えることが大切です。
文・木崎 涼(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
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