よくある原状回復費用の勘違い……退去費用は値下げ交渉できる!

2022/12/20 10:00

引越しでアパートやマンションを退去する際、かかる費用は交渉すれば安くなることがあります。交渉する際にいくつかのポイントを知っているだけで、退去費用は半分以下にできるかもしれません。 ポイント1 「原状回復=住み始めたときの状態に戻す」必要はない 賃貸物件の貸し借りでは、「原状回復」という言葉がよく使われますが、これは「

引越しでアパートやマンションを退去する際、かかる費用は交渉すれば安くなることがあります。交渉する際にいくつかのポイントを知っているだけで、退去費用は半分以下にできるかもしれません。

ポイント1 「原状回復=住み始めたときの状態に戻す」必要はない

賃貸物件の貸し借りでは、「原状回復」という言葉がよく使われますが、これは「住み始めたときの状態に戻すこと」ではありません。住んでいて自然に汚れたり、色あせたりした部分の修繕費用は、入居者が払う必要はありません。

国土交通省の資料「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」にも、「賃料に含まれる」と書かれています(経年劣化、通常損耗)。

たとえば、家具を置いていてできた床のへこみ、冷蔵庫やテレビの後ろにできる壁の黒ずみ、通常のクリーニングで対応できるような汚れなどです。

ポイント2 壊したもの、汚した部分“だけ”を負担すればいい

入居者が払う必要があるのは、不注意で壊してしまったものや、通常のクリーニングでは落ちないほど汚してしまった部分の費用だけです。

たとえば、壁を汚してしまったからといって、部屋の壁紙全部を張り替える費用を負担しなくていいのです。壁紙は1平方メートル単位で代えられます。

またエアコンのリモコンを壊したなら、負担すべきはリモコンの費用だけ。エアコン本体を替える費用は要りません。

ポイント3 たばこを吸っていたからといってクロス貼り替え費用を全額払う必要はない

「部屋でたばこを吸っていたから、クロスを貼りかえる費用を全額負担しなければいけない」というのは実は間違いです。

不動産会社からは全額負担するよう説明されることが多いため、特に勘違いされていますが、裁判で入居者が勝って、退去費用の80~90%が返金されている判例もあります。

ただし、ドアや窓、柱など経年劣化が認められない部分の原状回復費用は払わなければいけません。こうした部分がヤニで変色すると、修繕費や特殊クリーニング代が必要になるため、たばこを吸っていて退去費用がゼロになることは少ないでしょう。

退去費用は値引き交渉を

交渉のポイントを押さえて、値引き交渉すれば、退去費用が半分以下になるかもしれません。

ある調査では「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を知っていた人は、退去費用が平均6万4,916円安くなったそうです。調査人数が200人と限られているため、あくまで参考情報ですが、減額交渉をした人の81.25%が成功したこともわかっています。

次の引っ越しの際には、退去費用の見積もりが高いと感じたら値引き交渉してみてはいかがでしょうか。

文/編集・dメニューマネー編集部

【関連記事】
絶対避けたい!「老後破産」特集
初心者向け!ネット証券オススメランキング(外部)
いつ借りる?借り換える?「住宅ローン」
積立NISAを始めるタイミングは2022年がベスト?(外部)
お金が貯まる?「風水・占い」特集