2024年から始まる新NISAでは投資するタイミングが重要で、始める時期を間違えると思うように運用ができないかもしれません。投資のタイミングが新NISAをうまく運用するカギになる理由として、次の3つが挙げられます。
5年で生涯の投資枠を使い切る
新NISAは、年間の投資上限額まで投資すると最短5年で生涯投資枠を使い切ってしまいます。新NISAでは、現在のつみたてNISAの投資枠の3倍にあたる年間120万円、一般NISAの投資枠の2倍にあたる年間240万円の「成長投資枠」が設けられる予定です。
ただし、生涯投資枠として1,800万円という上限が定められています。
購入した商品を一切売却しないと仮定すれば、つみたてNISAの枠だけでも15年、成長投資枠も含めて毎年上限金額まで投資すると、5年で生涯投資枠に到達します。
株高のタイミングに生涯投資枠を使い切ると損する可能性が高い
現在の日経平均株価は、およそ30年ぶりの水準です。米国株は最高値から下落しているものの、かなり高い水準にあります。株価が高いときに生涯投資枠を使い切り、その後何かしらのショックで景気が悪くなって株価が暴落すれば、ただの高値掴みです。
長期投資なら問題ないと考える人がいますが、リーマンショックでは2年ほどで株価が50%程度下落しています。下落に耐えられない人は、実際に自分の資産が大きく目減りしている状況で損切りするでしょう。
NISAの特徴は「投資利益に対する非課税」なので、損切りしたら非課税メリットをまったく活かせません。
投資枠の再利用が可能
新NISAでは年間の投資枠は復活しないものの、生涯投資枠の1,800万円は売却すれば復活して再び投資できます。従来の一般NISAやつみたてNISAは「年間120万円または40万円」の枠が決められていて、売却後に投資枠が復活することは一切ありませんでした。 これまでより柔軟な運用ができるようになった一方で、資産に余裕がない人は再度投資をするために保有商品を売却するかもしれません。
利益を確定して再投資するなら問題ありませんが、「損切りして再投資」を繰り返していたら資産が目減りします。
投資タイミングを考えながら投資額を調整したほうがよい
新NISAで投資を始めようと考えている人は、株価の水準を見ながら投資額を調整したほうがよいでしょう。
生涯投資枠が1,800万円と決まっているため、毎年60万円と決めて30年で使い切る、40万円と決めて45年で使い切るといった投資方法があります。
様子を見ながら投資を始めたいなら、まずは月1万円から始めて、株価が暴落した後に投資額を増やすこともできます。
新NISAは従来の一般NISAやつみたてNISAが分かりづらかったことへの反省から生まれているため、改悪される可能性は低いと考えられます。
人生は長いので、無理に年間の投資限度額を使い切るのではなく、将来を考えた投資計画を立てることが大切かもしれません。
文/編集・dメニューマネー編集部
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