激化するメンズコスメ戦線!資生堂、花王、コーセーのマーケティング戦略は?

2022/12/22 07:00

大手化粧品会社の男性向け化粧品戦線が本格化している。花王は国内でインフルエンサー・マーケティング、資生堂は中国で拡大戦略、コーセーは羽生結弦さんの起用でジェンダーレス展開と各社アプローチは異なる。ヒット商品がでれば株式市場でも話題になりそうなだけに注目しておきたい。 花王はECのみの展開でインフルエンサー・マーケティン

大手化粧品会社の男性向け化粧品戦線が本格化している。花王は国内でインフルエンサー・マーケティング、資生堂は中国で拡大戦略、コーセーは羽生結弦さんの起用でジェンダーレス展開と各社アプローチは異なる。ヒット商品がでれば株式市場でも話題になりそうなだけに注目しておきたい。

花王はECのみの展開でインフルエンサー・マーケティング

花王 <4452> は2022年12月、新ブランド「UNLICS(アンリクス)」で国内男性用化粧品市場に本格参入した。

花王が“美”のプラットフォームとして展開している「Kao Beauty Brands」では初のメンズコスメとなる。メインターゲットは10〜20代のZ世代だ。将来は中国を中心にアジア圏に展開し、グローバルで売上高50億円の売上を目指している。

花王の調査によるとメンズコスメ市場で10〜20代男性の需要は2017年〜21年の平均で17%増と高い伸びをみせている。

Z世代の男性は、美容への意識が高く、身だしなみを超えて「美しくなりたい」欲望が強い。スキンケアだけでなく、純粋にメークを楽しむ層が増えつつある。

デジタル世代に訴えるために、当初は自社サイト、楽天、アマゾンのEC限定で発売。販売促進はブランドパートナーのインフルエンサー達によるYouTubeやSNSでのライブイベントでの展開が中心だ。

資生堂は中国でプレステージマスの中間を狙う

資生堂は2022年6月、男性用化粧品の第2ブランド「SIDEKICK(サイドキック)」スタートした。

男性用化粧品のブランドとしては18年ぶりだ。資生堂には男性用化粧品の高級ブランド「SHISEIDO MEN」があり日本の男性用化粧品の代表であるが、「SIDEKICK(サイドキック)」はZ世代をターゲットにしている。

国内では、資生堂グループのコンセプトストアの原宿「資生堂ビューティ・スクエア」を中心に展開する。女性用化粧品と同様に、カウンセリングを通じてユーザーの肌の悩みに合わせた商品提案を行うスタイルだ。

7月からは中国に本格参入した。日本よりもZ世代の人口が多い中国を中心に販売促進していく戦略だ。中国では男性用粧品が高級価格帯と低価格帯に二極化しているが、日本製品人気を背景にその中間層でのシェア拡大を狙う。

コーセーは羽生結弦でジェンダーレス展開

コーセー <4922> の展開もユニークだ。2022年夏スタートのCMでは主力化粧品「雪肌精」のイメージキャラクターに従来から起用する新垣結衣さんに加え、世界的に人気なフィギュアスケーターの羽生結弦さんを採用した。

CMで「雪肌精に男性用はありません」と語る羽生結弦さんは雪肌精のユーザーで、肌への関心が高いことが知られている。グローバルでジェンダーレス展開を目指すのが狙いだ。

雪肌精の従来のモデルは2022年7月に34ヵ月ぶりに前年比プラスに転じた。男性の比率も上昇しており、効果が出始めているようだ。

百貨店にもジェンダーレスのコスメ売り場が誕生

百貨店でも、男性用、ジェンダーレスのコスメ売り場が充実してきている。松屋銀座店は2022年夏、「MAC」「シュウ ウエムラ」などジェンダーレスの化粧品売り場を増やし、Z世代の若者や男性の集客も意識した売り場作りをしている。

中国、日本、アジアなどで、メンズコスメ、ジェンダーレスコスメが拡大すれば、男性用化粧品市場の成長性が期待できそうだ。

文/編集・dメニューマネー編集部

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