定年退職を迎えた後、今よりも家賃の安い物件に引っ越そうと考える人もいるが、お年寄りは賃貸を契約するのが難しいとされている。賃貸は何歳まで借りられるのだろうか。審査に通りやすくするために、やるべきことも見てみよう。
特に70歳以降は賃貸を借りにくくなる
賃貸物件は何歳まで借りられるという明確な基準はなく、物件によって異なる。
ただ、家賃保証会社へのアンケート調査によると、「入居審査に通りやすい」と回答した割合が50代は67.9%、60代は49.1%だったが、70代になると22.6%と大幅に減った(日本賃貸住宅管理協会の調査)。
つまり、50代と比べると60代は審査に通りにくくなり、70代になるとさらに審査に通りにくくなるということだ。
お年寄りが賃貸を借りにくくなる原因は?対処法も要チェック
お年寄りが賃貸を借りにくくなる原因は何だろうか。また、審査に通りやすくするためにはどのように対処すべきだろうか。
「収入が基準以下」「病気」など金銭面・健康面のリスクがある
定年後は年金を収入源とする人が多く、年金の収入だけだと審査基準に満たない場合もあるため、大家さんは家賃の支払いが滞るのではないかと心配する。
また、お年寄りの病気や孤独死を懸念する大家さんもいる。特に孤独死で発見が遅れると事故物件扱いとなることがあり、次の入居者探しに困るかもしれない。
審査に通りやすくするためには、「預金額がわかる通帳のコピーを提出する」「過去に大きな病気をしていないことを伝える」などが大切だ。
連帯保証人を立てられない
賃貸を借りるときは基本的に連帯保証人を立てる必要があるが、「家族には頼みづらい」「単身者である」といった理由で保証人を立てられない場合も、審査に通りにくくなる。
保証人の代わりをしてくれる「家賃保証会社」を利用する手もあるが、退職していて収入が少ない場合は、家賃保証会社の審査に通るとは限らない。
こうした事態に対処するために使える制度に、「家賃債務保証制度」がある。
この制度の大きな特徴は、60歳以上のお年寄りなどを対象としている点だ。家賃を滞納したときに、一定の範囲内で立て替えてくれる。
審査が少ない「シニア向け物件」を探す方法もある
審査に通りやすくなるためにできることはあるが、「シニア向け物件」を探すのも一つの手だ。シニア向け物件は保証人が必要ないなど、一般の物件に比べて審査項目が少ないことも多い。
例えば、不動産ポータルサイトで「シニア相談可」などの条件で検索すると、お年寄りの入居を受け入れている物件を探せる。
老後に引っ越しを考えている人は、これらのポイントを押さえて自分に合った物件を見つけてほしい。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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