今年はマレリやホープエナジーなど大手企業が倒産するなど、衝撃的なニュースが多く飛び込んできました。
2022年の倒産件数は6,300件台での着地が予想されており、3年ぶりに前年を上回ることが確実視されています(帝国データバンク「全国企業倒産集計 2022 年 11 月報」より)。
円安、物価高、人手不足という三重苦での戦いを強いられ、惜しくも今年倒産してしまった企業を振り返ってみましょう。
2022年はコロナ倒産が増加
今年の倒産件数は、前年の6,015件は上回るものの、コロナ禍前(2015~2019年)は年間8,000件台であったことを踏まえると、かなり低水準であるといえるでしょう。
一方、今年の新型コロナウイルス関連倒産は11月11日時点で1,904件と通年で2,000件を上回るペース。2020年が839件、2021年が1,743件だったので、過去最多です。月別では9月の238件が最多で、感染第7波の影響が大きいと見られています。
また、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた企業が、コロナ融資を受けた後に倒産してしまう「コロナ融資後倒産」も急増しています。11月時点で2022年の累計件数は353件となり、前年(167件)の2倍以上です。
2022年の主な倒産企業
今年倒産した企業のうち、負債額の大きい企業を中心に見ていきましょう。
マレリホールディングス
自動車部品大手。負債総額は約1兆2,000億円で、戦後最大級の経営破綻といわれています。
ホープエナジー
新電力事業(電力小売事業)に参入して業績を拡大してきましたが、電力調達価格の高騰で窮地に陥りました。負債総額は約300億円。
神明畜産
畜産大手。負債総額は関連企業である肉の神明、共栄畜産の3社合計で約574億円。「こてっちゃん」で知られるエスフーズ <2292> の関連会社とスポンサー契約を結んだことで、今後が注目されています。
日本ロジステック
倉庫・運送を主体に物流事業を急拡大してきた同社ですが、8月に外部への不正支払が発覚したことをきっかけに、資金繰りがひっ迫して倒産へ。負債総額は約151億円で、運輸倉庫業界では今年最大規模です。
アンドモワ
東京、大阪などの都市圏を中心に、個室居酒屋やファミリーレストランなどを運営していました。コロナ禍で宴会需要が急減したことなどで、業績が急激に悪化。負債総額は約80億円。
ほかにも、鶏卵関連事業のイセ食品や、旧フタバ図書としても知られるSH東雲堂、養鶏業の富士たまご、パチンコ機器メーカーの高尾、脱毛サロン「脱毛ラボ」を運営していたセドナエンタープライズなどが倒産しています。
来年はすでに4,000品目以上の食品の値上げが発表されていますが、このような状況がどう響いてくるのか目が離せません。
文/編集・dメニューマネー編集部
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