住宅ローンの変動金利は今、史上最低の水準ですが、2022年は「そろそろ金利が上がるのではないか」という不安も広がりました。はたして変動金利は近いうちに上がるのでしょうか。固定金利に借り替えたほうがいいのでしょうか。
変動金利が上がるのは10年以上先?
2022年は年初から、住宅ローンの「固定期間」10年の金利は徐々に引き上げられましたが、「変動金利」は各銀行が引き下げで競っています。特に、ネットバンキングの最低金利は0.3%を切っています。
こうした中で、変動金利がすぐに上がるのかというと、その心配はそう大きくなさそうです。住宅ローンアナリストの塩澤崇氏(モゲチェックCOO)は、変動金利が上がるには、2つの条件(経済の回復と賃金の上昇)が必要だといい、塩澤氏は、日本で変動金利が上がるとしても2035年以降だろうと予想しています(同社サイト2022年12月1日更新記事)。
シミュレーション 固定金利より変動金利のほうが返済額が高くなる?
これから変動金利がどれくらい上がれば、固定金利より返済総額が高くなるのでしょうか。
たとえば、借りる額を3000万円として、現在の変動金利0.5%で借りた場合と、固定金利1.5%で借りた場合を比べます。変動金利のほうが総額が高くなるのは、6年目以降ずっと金利が上がり続け、最終的に8.5%を超えた場合です。
変動金利は、その名の通り“変動”しますが、大きく乱高下したり、急騰したりしません。
というのも、変動金利には2つのルールがあり、金利が上がったとしても毎月の返済額が5年間は変わらない(5年ルール)、5年以降6年目からの返済額の引き上げも125%まで(125%ルール)となっているからです。
金利8.5%と言うと、1980年代の不動産バブル時代並みの金利です。果たしてそんな状況にこれからなるでしょうか。
2022年も終わろうとしていますが、日銀が12月19〜20日に、大規模緩和を修正する方針を決めたことから、特に固定金利が上がるとの見方も広がっています。
金利は政策や経済情勢に左右されるので、この先どうなるかは誰にも分かりません。ローンを借りたり借り替えたりする予定なら、後悔しない判断ができるよう、情報取集をしっかり行なっておきましょう。
文/編集・dメニューマネー編集部
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