日本で一番大きい会社はトヨタ、では2番目は? NISA投資と時価総額

2022/12/26 07:00

「国内で2番目に大きい企業」を聞かれても、即答は難しいだろう。富士山の次に大きい山の知名度が決して高くないのと同じだ。 しかし、株式投資をする上で「時価総額」を確認することは非常に重要だ。 日経平均の構成企業でもある時価総額の大きな企業たち。その時価総額を見る際の視点を確かめよう。 時価総額は現在の企業価値を表す 日本

「国内で2番目に大きい企業」を聞かれても、即答は難しいだろう。富士山の次に大きい山の知名度が決して高くないのと同じだ。

しかし、株式投資をする上で「時価総額」を確認することは非常に重要だ。

日経平均の構成企業でもある時価総額の大きな企業たち。その時価総額を見る際の視点を確かめよう。

時価総額は現在の企業価値を表す

日本で一番時価総額が大きい企業はトヨタ <7203> で約31兆円(12月16日)である。次いで、2位がソニーG <6758> 、3位がキーエンス <6861> 、⒋位NTT <9432> で約14兆円(12月16日)が続く。以下トップ10は、三菱UFJFG <8306> 、第一三共 <4568> 、任天堂 <7974> 、ソフトバンクG <9984> 、リクルートHD <6098> 、武田薬品 <4502> だ。

時価総額は企業の時価での市場価値で「発行済株式数×株価」で算出することができる。簡単に言うとその企業をいくらで購入できるのかという目安になる。

日本企業で過去最大のM&A(合併買収)は2018年の武田薬品工業 <4502> によるアイルランドの製薬会社シャイアーの買収だった。当時、時価総額3兆円台の武田が6兆円台のシャイアーを買収して話題になった。

時価総額はセクター内比較や海外企業との比較でも有効

時価総額はセクター(業種やテーマ、材料など、株式の特性に着目して分類したグループ)での比較にも有効だ。

たとえば、総合商社では伊藤忠 <8001> 、三井物産 <8031> 、三菱商事 <8058> が首位争いをしている。22年3月期は最終利益では三菱商事が過去最高益でトップだった。一方、時価総額では伊藤忠がトップだ。市場の評価は伊藤忠が一番高いことになる。

トヨタは日本では圧倒的だが、グローバルな自動車メーカーと比較すると、米電気自動車のテスラが約68兆円とトヨタをはるかに上回る。テスラの時価総額は将来への期待を織り込んでいるからだろう。時価総額は国際比較にも便利だ。

NISAを活用した長期投資なら時価総額が大きい企業を

時価総額が大きい企業の株式投資には以下のようなメリットがある。

1 グロース市場などの時価総額が小さい企業にくらべて比較的業績が安定
2 株価変動(ボラティリティ)が比較的小さい
3 投資家層が広く市場での流動性が高い
4 配当は比較的高く安定している

小型株に比べると上昇余地は低いが、NISAのような長期投資には向いている。

時価総額が大きい企業は、日本を代表する銘柄である。さらに、東証株価指数TOPIX)と呼ばれる東証証券取引所に上場している時価総額の大きい企業のウェイトを高く計算する加重平均型の指数だ。

したがって、時価総額の大きな銘柄の株価の動きがTOPIXに大きな影響を与える。TOPIXでのトヨタのウェイト(10月末)は4.06%。ソニー2.53%、キーエンス2.02%、NTT1.89%だ。上位10社でTOPIXの18.81%を占める。長期で日本株の動きをとらえるためには注目せざるを得ない銘柄群だ。

現在は相場環境が不透明なため、日本株に対する外国人投資家や国内機関投資家の動きは鈍い。ただ、こうした機関投資家が日本株を買い始めた場合、時価総額の大きな銘柄を中心に買いを入れ始める。

2024年からNISAの投資枠の拡大が予定されている。長期分散投資を考えるなら、時価総額の大きな銘柄への投資を検討するのも一つの手だろう。

文/編集・dメニューマネー編集部

【関連記事】
絶対避けたい!「老後破産」特集
初心者向け!ネット証券オススメランキング(外部)
いつ借りる?借り換える?「住宅ローン」
積立NISAを始めるタイミングは2022年がベスト?(外部)
お金が貯まる?「風水・占い」特集