退職・老後が近い

「熟年離婚」したら退職金はどうなる?使い込まれると請求できない?

2023/01/03 11:00

熟年離婚した場合は退職金も相手に請求できますが、自分や相手の行動次第では受け取れる退職金の額が減ってしまいます。退職金の財産分与の考え方や注意点を知り、老後生活の糧となる退職金をしっかりもらいましょう。 退職金は財産分与の対象になる 定年後か定年間近の熟年離婚では退職金も財産分与の対象になり、自分に退職金がなくても夫や

熟年離婚した場合は退職金も相手に請求できますが、自分や相手の行動次第では受け取れる退職金の額が減ってしまいます。退職金の財産分与の考え方や注意点を知り、老後生活の糧となる退職金をしっかりもらいましょう。

退職金は財産分与の対象になる

定年後か定年間近の熟年離婚では退職金も財産分与の対象になり、自分に退職金がなくても夫や妻が受け取る退職金を請求できます。

結婚後の貯金やマイホームなど、夫婦で協力して築いた「共有財産」は離婚後に分ける必要があります。財産形成には家事・育児などのサポートも重要なので、専業主婦(夫)や収入が少ないほうも、共有財産の2分の1を受け取る権利があります。

しかし、事前に準備していないと受け取れる退職金が減ってしまうことがあります。2つの注意点を見ていきましょう。

注意点1 使い込まれた退職金は請求できない

退職金を浪費や個人の借金返済などで使い込まれると財産として存在しなくなるため、財産分与で請求できなくなります。これから退職金を受け取り、離婚を切り出す予定なら、相手による退職金の使い込みに注意しましょう。

使い込みを防ぐには、裁判所に「仮差押え」を申し立てるという方法があります。自分で申し立てることもできますが、複雑な手続きが必要なので、弁護士などの専門家に依頼することも検討しましょう。

注意点2 別居期間はカウントされない

定年前に別居すると、財産分与で受け取れる退職金が減ることがあります。

財産分与の対象になるのは、夫婦が協力して作った「共有財産」です。別居中に受け取った給与などは、受け取った人の財産になります。

退職金は、結婚して同居している期間に応じて計算されるため、別居期間はカウントされません。安易に別居すると、財産分与の対象になる退職金が減ることになります。

財産分与の対象になる退職金は、勤続年数から結婚前の期間や別居後の期間を差し引いて計算します。そのため、貯金のように2分の1を受け取れるわけではなく、思っていたより少なくなることがあります。

会社の退職金規定などで確認し、どのくらい受け取れるか計算しておくとよいでしょう。

熟年離婚は退職金も含めて、老後の生活設計をしっかり立ててから決断することが大切です。

文・木崎 涼(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部

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