財産分与は「熟年離婚」した場合どうなる?結婚25年以上なら2000万円もらえることも

2023/06/11 11:00

結婚の期間が長い夫婦の熟年離婚では財産分与で受け取る金額も大きくなりがちで、2,000万円を超えることもあります。 離婚した夫婦のうち同居20年以上の割合は、1985年は12%、2021年は21%で、年々増えています(「人口動態統計月報年計」2021年厚生労働省調査)。 熟年離婚を考えているなら、財産分与でいくら受け取

結婚の期間が長い夫婦の熟年離婚では財産分与で受け取る金額も大きくなりがちで、2,000万円を超えることもあります。

離婚した夫婦のうち同居20年以上の割合は、1985年は12%、2021年は21%で、年々増えています(「人口動態統計月報年計」2021年厚生労働省調査)。

熟年離婚を考えているなら、財産分与でいくら受け取れるか目安を知り、生活設計を立ててから決断しましょう。

結婚25年以上なら1,000万円超は4人に1人

結婚25年以上で離婚時に財産分与した人のうち1,000万円を超える財産分与を受けた人は25%とういことが、司法統計「家事(2020年度)」で分かっています。2,000万円を超える財産分与を受けた人も9%います。

多いと感じるかもしれませんが、2021年の平均寿命は男性81.47歳、女性87.57歳で、定年後に15~25年の年金生活が待っています。公的年金だけでは生活費が不足するという金融庁の報告もあるため、財産分与を受けることは、安心して老後生活を送るためには欠かせません。

離婚して2年経つと、時効により財産分与の請求ができなくなります。熟年離婚を考えているなら、あらかじめ財産を把握し、財産分与の計画を立てることが大切です。

財産分与の対象になるのは「共有財産」

財産分与の対象になるのは、結婚している間に築いた「共有財産」です。

貯金やマイホーム、株式など、あらゆる資産が対象になります。名義は関係ないので、専業主婦(夫)や収入が少ないほうも、2分の1を受け取る権利があります。

ただし、独身時代の貯金や別居後の給与などは「特有財産」となり、財産分与の対象になりません。

貯金だけでなく退職金や年金も請求できる

退職金も共有財産になるため、結婚期間(同居期間)にあたる分を相手に請求できます。退職金をまだ受け取っていない場合は、会社の退職金規定などをもとに計算します。

会社員や公務員が加入する厚生年金や共済年金では、年金記録を分割できます。分割を受けると、自分が受け取れる年金が増えます。

分割を受けたほうの年金額は分割前が約5万円、分割後が約8万円で、約3万円増えていることが厚生労働省の「厚生年金保険・国民年金事業の概況(2020年度)」で分かります。

熟年離婚を考えているなら、財産分与で受け取れる金額や年金額を踏まえて生活設計を考えましょう。

文・木崎 涼(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
(2023年3月14日公開記事)

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