2023年には、年金や労働に関するさまざまな分野でお金に関する制度が改訂・新設されますが、私たちの生活に直接関わるものは次の3つです。
年金の繰下げ申出みなし制度の開始
4月から、年金の繰下げ申出みなし制度が始まります。年金の繰下げ申出みなし制度は、70歳以上80歳未満の人が繰下げの申出をしなかったとしても「5年前に繰下げの申出があった」とみなす制度です。
これまでは、繰下げの申出をしなかった場合は本来の年金額が適用され、増額されませんでした。繰下げ申出みなし制度によって、これまで年金の受給または繰下げの手続きを行わなかった人でも、5年前までの分は増額された年金を受け取れます。
いずれにせよ、年金は5年以上経過したものは国が時効を主張して消滅してしまうので、早めに受給または繰下げの申出を行いましょう。
雇用保険料0.2%引き上げ(予定)
4月から雇用保険料率が0.2%上がる予定です。これは厚生労働省からの正式な発表ではなく、新聞などの報道からの情報です。
2020年の新型コロナウイルス感染症の拡大以降、雇用調整助成金の支給要件を緩和した影響で、財政が厳しくなったことへの対応といわれています。
インボイス制度の開始
10月には、インボイス制度がスタートします。インボイスとは適格請求書のことで、正確な適用税率や消費税額などを伝えるものです。
これまではインボイスがなかったため、個人事業主(フリーランス)で売上が年間1,000万円以下の免税事業者には消費税の支払義務がありませんでした。
インボイス制度の開始によって、個人事業主は取引先からインボイスの交付を求められた場合は、交付しなければなりません。インボイスを交付すると消費税の税額や個人事業主の登録番号を税務署が把握できるため、売上1,000万円以下の個人事業主でも消費税を納める必要があります。
インボイスへの登録は任意といわれていますが、個人事業主に実質的な選択権はないでしょう。事実上、免税事業者への増税になるのではと懸念されている制度です。
文/編集・dメニューマネー編集部
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