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「住宅ローン控除を受けられなくなる?」2023年以降にマイホームを買う人は要注意

2023/01/03 10:00

住宅ローン控除は2022年から控除率が引き下げられるなどの改正がありました。制度の変更は今後も予定されており、2024年からは新築でも控除の対象にならない住宅があるため注意が必要です。 控除期間は延長されたが、控除率が下がる 2022年の住宅ローンの改正では、今までは10年間だった控除期間が最大13年間に延長されました

住宅ローン控除は2022年から控除率が引き下げられるなどの改正がありました。制度の変更は今後も予定されており、2024年からは新築でも控除の対象にならない住宅があるため注意が必要です。

控除期間は延長されたが、控除率が下がる

2022年の住宅ローンの改正では、今までは10年間だった控除期間が最大13年間に延長されましたが、全体的には控除が縮小されています。

最も大きく変わった点は、控除率が1.0%から0.7%に下がったことです。

住宅ローン控除とは、控除を受ける年の年末時点のローン残高に控除率を掛けた金額を、所得税と住民税から差し引く仕組みです。従来であれば年末のローン残高が3,000万円であれば1.0%の30万円が支払った税金から戻ってきました。しかし、2022年以降は0.7%の21万円しか戻らなくなったのです。

省エネ性能の高い住宅が優遇され、2024年からは必須に

2024年からの住宅ローン控除の変更にも注意が必要です。住宅ローン控除の借入限度額は省エネ性能によって、以下のように分類されています(新築または買取再販住宅の場合)。

住宅の種類基準借入限度額(22年~23年入居)借入限度額(24年~25年入居)
長期優良住宅 長期にわたり良好な状態を維持するために一定の措置が講じられると認定された住宅5,000万円 4,500万円
低炭素住宅 二酸化炭素の排出を抑える仕組みや設備を導入していると認定された住宅5,000万円4,500万円
ZEH水準省エネ住宅断熱等性能等級5かつ一次エネルギー消費量等級6の性能を有する住宅 4,500万円4,000万円
省エネ基準適合住宅断熱等性能等級(断熱等級)4以上かつ一次エネルギー消費量等級4以上の住宅4,000万円3,000万円
その他の住宅(一般住宅)  3,000万円0円
(厚労省サイトなどから筆者作成)

これらの住宅は上から順に省エネ性能が高いとされています。省エネ性能が高いほど借入限度額が多くなり、住宅ローン控除の減税額が増えます。2024年からは借入限度額が引き下げられ、一般住宅は住宅ローン控除を受けられなくなります。つまり、住宅ローン控除を受けられるのは、省エネ性能のある住宅に限られるわけです。

住宅取得を考えるなら慎重に計画すべき

住宅ローン控除は支払った税金が戻ってくるため、節税効果の高い制度です。

しかし、省エネ性能の高い住宅は一般住宅に比べて建築費も高くなるため、費用対効果を考える必要があります。建築費についてはハウスメーカーごとにさまざまですが、長期優良住宅で一般住宅の10%増が目安といわれています。

また、十分な自己資金のない人が、マイホームの購入を前倒しにするのも避けるべきです。

住宅ローン控除の縮小は、これからマイホームを取得する人には悩ましい問題です。最新情報を確認しながら、家計に無理のない対策を考えましょう。

文・松田聡子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部

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