亡くなった親の預金口座を調べるには?遺品整理には細心の注意を払って

2023/01/14 11:00

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いつかは必ずやってくる親との別れの日……。親が亡くなった時、子であるあなたは、親の財産を相続する権利があります。その際、親がどんな財産を持っていたかを調べることになります。不動産や自動車であれば比較的わかりやすいですが、預金口座は複数持っている場合が多く、そもそもどんな銀行に口座を持っていたかさえわからないこともありま

いつかは必ずやってくる親との別れの日……。親が亡くなった時、子であるあなたは、親の財産を相続する権利があります。

その際、親がどんな財産を持っていたかを調べることになります。不動産や自動車であれば比較的わかりやすいですが、預金口座は複数持っている場合が多く、そもそもどんな銀行に口座を持っていたかさえわからないこともあります。たとえ子であったとしても、故人のすべての口座を把握している人は少ないのではないでしょうか。

では、故人の口座を調べるにはどうしたらよいのでしょうか。

故人の預金口座情報がわかっている場合

あなたが故人の子である場合、親の通帳の保管場所を知っていることも多いでしょう。その場合は、預金口座情報を調べるのは簡単です。

また、預金がある銀行名しかわからないような場合でも、あなたが相続人であれば、銀行に支店名や口座番号を照会できます。

故人の預金口座情報がわからない場合:①取引関係者へのヒアリング

故人の預金があることはわかっているけれども、通帳や明細などが見つからず、預金口座の情報がまったくわからない場合にはどうすればよいのでしょうか。

その場合、もし確定申告などで故人が頼っていた税理士がいれば、その税理士が預金口座の情報を知っているかもしれません。

また、故人が会社に生前勤めていれば、会社が給与振込口座を把握しているでしょう。故人が会社経営者や個人事業主であれば、取引先からの報酬の振込口座があるはずなので、思い当たる取引先に問い合わせてみるとよいでしょう。

故人の預金口座情報がわからない場合:②遺産分割調停での質問

故人の財産の分割方法について、親族間で争いがない場合には良いのですが、争いがある場合、自分ではなかなか故人の情報を入手できないことがあります。

こういった場合、裁判所で遺産分割調停という手続が行われることが多いでしょう。故人についての情報が容易に手に入らない場合、遺産分割調停手続において、裁判所を介して他の相続人に質問してみるのも方法のひとつです。

ただし、この場合、漠然とした質問では受け付けてもらえないので、銀行名や支店名など、ある程度の情報は必要になってくるでしょう。

遺品整理で絶対に捨ててはいけないもの4選

遺品整理をする中で、これは捨ててもよいものだろうかと悩むこともあると思います。ごみだと思って何気なく捨てたものが、後で必要なものだったと気づいて慌てることにもなりかねませんので、遺品整理は注意して行う必要があります。

一般的に遺品整理で捨ててはいけないものには、運転免許証やパスポートなどの行政的に必要なもの、遺産分割などの際に法律的に必要なものなどがあります。以下に、法律的な観点から遺品整理で捨ててはいけないもの4つを紹介します。

遺言書

故人の遺言書がある場合は、相続の際に必ず必要となるので絶対に捨ててはいけません。何やら見慣れない封筒を見つけた場合にも、遺言書の可能性があるので絶対に捨てないようにしましょう。

銀行の通帳

故人の銀行の通帳などは預金のありかがわかるものなので、遺産分割の際に必要となります。遺産分割の際に揉める原因にもなるので、必ず残しておくようにしましょう。

借金関係の書類・取引関係の書類

相続はプラスの財産だけではなく、マイナスの財産も相続します。例えばあなたの親が借金をしていた場合、原則としてあなたがその借金を相続することになります。

「親の借金だから関係ない」と思って借金関係の書類を捨ててしまうと、後々債権者から請求が来て慌てることにもなりかねません。マイナスの財産についてしっかり把握しておくことが必要なので、ローンなどの借金関係の書類は必ず残すようにしてください。

また、故人が事業を営んでいた場合、取引先に売掛金や買掛金を有していた可能性があります。取引先との債権債務関係を把握しておくためにも、取引関係書類は保管しておきましょう。

物品など

いかにも高級そうな指輪やネックレスを捨てる人はいないと思いますが、例えばボロボロの腕時計やスニーカー、誰が描いたかわからないような絵画でも、とんでもない値段が付くことがあります。

勝手に処分してしまうと相続の際に揉める原因にもなるので、捨てたり売却したりせずに、遺産分割が終了するまで保管しておくようにしましょう。

落ち着いて着実に手続きを

近しい人の死という大きな悲しみの中でさまざまな手続きをしなければならないのは、大変な精神的負荷になることでしょう。しかし、一歩間違うと後々面倒なことになるものも多いので、必要な手続きを調べ、ひとつずつ確実に進めるように意識していくことが大切です。

文・fuelle編集部

(2023年1月7日公開記事)