2023年IPO予想!楽天銀、住信SBI銀、成城石井……ハウステンボスと東京メトロは?

2023/01/06 07:00

2022年のIPOは91社だった。2021年の125社に比べ34社減ったが、その要因としては、2022年4月の東証区分変更を控えた駆け込み需要があったこと、2022年はロシアのウクライナ侵攻によるIPOの延期が多かったことが考えられる。2022年の91社は、2019年の86件、2020年の92件と比べても決して低い水準

2022年のIPOは91社だった。2021年の125社に比べ34社減ったが、その要因としては、2022年4月の東証区分変更を控えた駆け込み需要があったこと、2022年はロシアのウクライナ侵攻によるIPOの延期が多かったことが考えられる。2022年の91社は、2019年の86件、2020年の92件と比べても決して低い水準ではなかった。勝率は約79%、初値騰落率は約52%。厳しい市場環境でも、IPO市場は堅調だった。

ただ2022年は大型案件が少なかった。初値時価総額で1000億円超は、ANYCOLOR <5032> 、ソシオネクスト <6526> 、大栄環境 <9336> の3社のみだった。

はたして2023年はどうなるのだろうか。報道などをもとに見通してみよう。

2023年IPOは大型化 楽天銀、住信SBI、ソラコム、レオス、成城石井など

世界的に株式市況は良くないが、2023年は昨年延期になった案件も含めて大型IPOが増えそうだ。

楽天銀行は時価総額3000億円超

2022年7月、楽天銀行が東京証券取引所へ上場申請を行なった。2022年度内の上場を目指しており、時価総額は約3000〜4000億円との見方だった。ただ、楽天グループ <4755> が携帯部門の赤字拡大で業績や財務体質が悪化、12月には年度内IPOは一旦見送りと報道されている。

住信SBIネット銀行は2023年上期にもIPO

ネット銀大手の住信SBIネット銀行は2022年10月、ロシアのウクライナ侵攻による市場環境の悪化を受けて3月IPO予定延期していた株式上場を再申請した。想定時価総額は約3000億円で、2022年最大の案件となるはずだった。

KDDI系のソラコムはスイングバイIPOで注目

KDDI <9433> の子会社でIoTプラットフォームを提供するソラコムが2022年11月に東証に上場申請した。もともとは独立系のスタートアップ企業だったが、2017年にKDDIの傘下入りで急成長した。

レオス・キャピタルワークスはSBI傘下でIPO

「ひふみ投信」を運用するレオス・キャピタルワークスは2022年9月に上場申請を行った。2018年に1度IPO申請したが中止になり、2020年3月にSBIホールディングス <8423> 傘下入りしてからの再申請だ。2018年のIPO前には時価総額は200〜300億円の案件だと見られていた。

成城石井の想定時価総額2000億円

ローソン <2651> の100%子会社の高級スーパー。2022年9月に上場申請したが、市場環境の悪さから12月に一旦取り下げた。上場時の時価総額は2000億円を上回るとの見方がある。

2023年以降に期待される大型IPO案件

2023年以降にも上場が取り沙汰されている企業の中にも、注目度や規模が大きいものが複数ある。

東京メトロの民営化は9000億円大型IPOへ

東京メトロ(東京地下鉄)は、民営化する方針だ。27年度までに政府保有株の売却期限が決まっている。2021年7月に国と東京都が保有株を半分ずつ売却することを合意。2022年5月には東京メトロの売出しの幹事がすでに決定している。他の大手私鉄との比較から時価総額は9000億円とも予想されている。

キオクシアは2兆円の超大型案件

キオクシアは東芝 <6502> の半導体子会社として2018年6月に独立。2020年10月にはIPOを予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大で上場手続きを延期した。経営陣はIPOについて「適切な時期を見極める」としているが、2020年のIPO前は2兆円とも言われていた大型案件で東芝再建のための資金調達の切り札でもあるため注目度は高い。

ハウステンボスは1000億円超

エイチ・アイ・エス <9603> は2022年8月、66.7%保有するハウステンボス株を投資ファンドのパシフィック・アライアンス・グループ(PAG)に667億円で売却した。2022年にIPOする計画だったが、コロナによる市況感の悪化で売却に方針を変更した。今後、企業価値が向上すればIPOに向かう可能性も高いだろう。

DHCはオリックスの案件で3000億円超

オリックス <8591> は2022年11月、化粧品や健康食品大手のDHCを約3000億円で買収した。オリックスは事業投資会社として業務をシフトしており、M&Aを活性化している。企業価値を高めIPOもしくは売却で投資資金を回収するとみられており、数年後のIPOが注目される。

相場環境が悪いだけに勝率の高いIPO銘柄に今年も期待が掛かる。

文/編集・dメニューマネー編集部

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