不動産投資に向いているのはどんな人?

2021/09/18 12:00

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新型コロナ不況が報じられる一方で、日経平均株価がバブル期以来の3万円を突破するなど、「投資の世界」では、むしろお金が潤沢に回っているようです。ただ投資には株式投資だけでなく、為替、金(きん)投資などさまざまな種類があります。今回は不動産投資にフォーカスします。不動産投資とはいったいどのようなものなのでしょうか。 コツコ

新型コロナ不況が報じられる一方で、日経平均株価がバブル期以来の3万円を突破するなど、「投資の世界」では、むしろお金が潤沢に回っているようです。ただ投資には株式投資だけでなく、為替、金(きん)投資などさまざまな種類があります。今回は不動産投資にフォーカスします。不動産投資とはいったいどのようなものなのでしょうか。

コツコツ長期で利益を狙うのが一般的

不動産投資で利益を得るには2つの方法があります。一つは所有する不動産を貸して家賃を得る「家賃収入」で、もう一つは不動産を売って得られる「売却益」です。

「家賃収入」のことを投資の世界では「インカムゲイン配当金)」と呼びます。もう一方の「売却益」のことを「キャピタルゲイン」と呼びます。

ただし、決して安くはない不動産を売買するのはプロ・専業の不動産投資家でないと難しいでしょう。そのため、不動産投資の基本は、長い期間にわたって、毎月「家賃収入(インカムゲイン)」をコツコツ得ていくものと理解しておきましょう。

不動産投資はどれくらい儲かるの?

不動産投資に関心がある人が一番気になるのは、やっぱり「どれくらい儲かるのか」(収益性)でしょう。 投資の世界では1年間で運用資産がどれくらいの収入を生み出したか示すのに「利回り」を使います。不動産の年間収益から、管理費や宣伝広告費などすべての経費差し引いて計算します。

ただ不動産投資といってもマンション、アパート、戸建て、ビルなど種類がいろいろありますし、立地や規模、築年数などによって家賃も購入価格が違いますので、当然、利回りも異なります。実際に不動産を所有する「現物投資」で一般的に言われている利回りは次の通りです。

不動産の現物投資のインカムゲインの例

・ 新築マンション(区分所有)3〜5%
・ 中古マンション(区分所有)4~8%
・ 新築アパート(一棟)5~6%
・ 中古アパート(一棟)6~8%

これらはあくまで一般論、イメージですので、大きく異なることがあります。結局、物件の購入価格が利回りに大きく影響しますから、安く買えれば利回りは高くなる傾向にあります。

土地が安い地域では利回りが10%を超える物件もあります。ただし、日本では人口が東京などの都心部に集中し、それ以外の地域の人口は減少しています。高利回りにひかれて物件に投資した場合、借り手が見つからず、家賃が得られないこともあります。利回りだけで判断しないほうがいいでしょう。

他の金融商品の利回りと比較

不動産投資の一般的な利回りを確認したところで、「果たしてこれが高いのか低いのか」は分からないでしょう。そこで他の金融商品と比較してみましょう。ただし売却益は考えず、あくまでも配当金=インカムゲイン=の利回りです(たとえば株式投資では、株を売って得られる収入ではなく、株を持ち続けることでもらえる「配当金」を利益と考えます)。

さまざまな金融商品のインカムゲインの例

定期預金(大手都市銀行)0.002%
日本国債(10年) 0.1%前後
株式投資 1〜2%
J-REIT 3〜4%
不動産クラウドファンディング投資 3~6%

J-REITや不動産クラウドファンディングも不動産投資の一種です。これらと実際に不動産を所有する「現物投資」と比較すると、現物投資の場合は自分で不動産を探したり家賃を決めたりするため、自分でリスクとリターンを直接コントロールできる点でしょう(ただそれは「自分でやらなければいけない」ということでもあります)。

融資を受けられる人は有利に

不動産投資が他の金融商品と一番違っている点は、不動産投資の場合は金融機関からお金を借りて(ローン)投資するのが一般的なので、自己資金が少なくても始められるということでしょう。新築マンションなどの投資の場合、頭金ゼロでも「フルローン」と呼ばれる方法で購入できることもあります。購入する資金さえ銀行から調達できればいいのです。

不動産投資ができるのは資金に余裕のあるお金持ちだと思われがちですが、実際はそうではありません。お金を借りられる人なら始められます。お金を借りやすいのはどんな人かというと、毎月安定収入がある会社員や公務員などといわれています。大手企業、上場企業などに勤めている人、特定の会社に長年勤務しているといった実績がある人などは、さらに融資が受けやすいとされます。

とはいえ、「働きながら不動産投資しても、借り手を探したり、物件を管理したりなんてできない」と思われるかもしれませんが、これらの作業は、費用はかかりますが不動産会社に依頼できます。借り手探しや物件管理を自分ですべてやる必要はないので、会社勤めをしながら不動産オーナーになっている人は少なくありません。

不動産投資が「賃貸経営」と呼ばれる理由

不動産投資に向いているのはどんな人でしょうか。よく言われるのは、「経営者タイプ」です。なぜかというと、不動産投資の最大のリスクである「空室」を避けるために、しっかりとした事業計画を用意して、管理会社にしっかりと指示を出す必要があるからです。

また、既に述べたように、不動産投資は長い期間にわたって、毎月利益を少しずつ得ていくものです。その間、持っている不動産の周囲の環境が変わったり、借り手が求める機能や好みが変化したりします。物価も変わりますから、家賃も上げるか下げるか考えなければいけません。部屋そのものや設備も古くなったり壊れたりします。そうした社会や時代の変化に適応しつつ、物件をよい状態で維持して、常に借り手がいる状態にしなければいけません。

こうしたことから、不動産投資は「賃貸経営」と呼ばれます。つまり不動産投資に求められるのは、投資家としてというより経営者としての資質と言えるでしょう。

以上、不動産投資がどんなタイプの投資なのか、他の投資商品とどう違うのか、どんな特徴があるのか、どんな人が向いているのか見てきました。不動産投資に興味を持った人は、ぜひ詳しく調べてみてはいかがでしょうか。

文・株式会社フロア
編集・dメニューマネー編集部

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