通勤途中に転んだり、自転車やバイクのスリップ事故でケガをしたりすると、労災になって給付金が出る場合があります。勤務時間中のケガだけでなく、通勤中のケガも労災の対象です。申請し忘れて給付金をもらい損ねないように、労災の対象やいくら給付金が出るのか、正しく理解しておきましょう。
労災なら治療費の全額が支給される
職場に向かう途中や仕事が終わった後の帰宅途中のケガは、基本的に労災になるので治療費が全額支給されます。
労災保険の指定医療機関で受診すれば、原則無償で治療を受けられるので自己負担はありません。近くに指定医療機関がなく、他の病院を受診した場合は、治療費や薬代を一旦本人が支払いますが、手続きによって全額が戻ってきます。
ただし、労災の対象になる通勤とは「合理的な経路・方法による通勤」を指すので、この定義に当てはまらないならケガをしても労災になりません。
例えば会社に伝えた経路と違うルートを使った場合、合理的な経路なら労災扱いでしょうが、何となく遠回りをした場合は合理的な理由がないため、労災にならない可能性があります。
また、通勤途中に寄り道をした場合、申請した経路を変更した後のケガは労災になりません。そのため、帰宅途中に飲み屋に寄り、その後酔ってケガをした場合は労災の対象外です。
労災で4日以上休むと給料の8割が支給される
通勤途中のケガが原因で休む場合、休業4日目から給料の8割をもらえます。労災保険の休業給付と呼ばれるものです。
月給25万円の人なら8割は20万円なので、1日あたり約6,500円の給付金が出る計算です。正社員だけでなく、アルバイトやパートも要件を満たせば受け取れます。
ただし、休業給付を申請しても労災認定に時間がかかることがあり、すぐに支給されるとは限りません。実際に給付金をもらうまで、1~2ヵ月ほどかかることもあります。
仕事を休んで給料が出なくても、労災保険から8割が出れば生活資金として使えますが、実際に受け取るまでの間は自分で生活資金を用意しなければなりません。生活費のやりくりには注意しましょう。
文・大垣秀介(マネーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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