2023年の干支はうさぎ年(卯年)。株式市場には干支の相場格言があり、卯年は「うさぎは跳ねる」と言われている。2023年は格言通り跳ねる年になるのだろうか?過去に起きたニュースや過去の日経平均株価の動きを振り返ってみた。
干支の相場格言
干支の格言は次のとおりだ。
辰巳(たつみ)天井、 午(うま)尻下がり、
未(ひつじ)辛抱、 申酉(さるとり)騒ぐ、
戌(いぬ)は笑い、 亥(いのしし)固まる、
子(ねずみ)は繁盛、 丑(うし)つまずき、
寅(とら)千里を走り、 卯(うさぎ)は跳ねる。
2022年は寅年で「寅は千里を走る」年だった。寅には長く走る能力があり、一日に千里先まで行ってまた戻ってくる。勢いの盛んなことのたとえとされている。
株式市場では、躍進というよりも、政治・経済で波乱が起こりやすい年と解釈されている。実際、2022年はロシアのウクライナ侵攻、40年ぶりの高インフレなどが起き、株価は乱高下した。
卯年は好パフォーマンス 辰につながる大相場の基点
東京証券取引所が再開した1949年以降、干支別で市場の年間パフォーマンスを検証してみた。卯年は過去8回あった。勝率は5勝3敗で62.5%とそれほど高くはなく7位。
しかし、平均騰落率では15.5%で3位。子(39.8%)、辰(16.9%)に次ぐ高パフォーマンスだ。卯年の高パフォーマンスの次の辰年で相場の勢いが加速する例が多いのだ。最近では、平成バブル、ITバブル、アベノミクスへつながる基点となっていることには注目だ。
卯年は必ず米大統領選の前年にあたり、辰年は米大統領選の年にあたる。米国の選挙対策で景気対策などが発動され、世界経済も株価も堅調になるケースが多いことが影響しているとされている。確かに、大統領選の前の年は、卯、未、亥であり、いずれも騰落率は高い。
過去3回の卯年の日経平均株価のパフォーマンスは?
直近の卯年の日経平均株価の年間騰落率と株式市場のトピックスを見ていこう。
1987(昭和62)年──15.3%高
2月にNTT 株が上場し、3月に国鉄の分割・民営化でJR が発足、規制緩和が大きく前進した。NTTをきっかけに株式市場に参入した個人投資家も多い。4月には、公定歩合が戦後最低水準となる2.5%に引き下げられ、生損保の特定金銭信託枠拡大など「財テク」ブームが起き平成バブルピークにつながる。
1999(平成11)年──36.8%高
1997年のアジア通貨危機の影響で、98年山一証券破綻から始まる金融システム危機へ。99年前半は円高、株安で厳しい局面もあったが、3月の都市銀行15行への公的資金注入をきっかけに株価が急伸し、「ITバブル」につながる。
2011(平成23)年──17.3%安
3月の東日本大震災の発生から株価が急落した。リーマンショックからの世界景気後退で、年後半には米国債の格下げや、欧州通貨危機などで世界景気の減速懸念が強まった。日本はデフレが加速。ドル円は75円台の過去最高値をつけて株価も低迷した。その低迷の打開が2013年からのアベノミクスへとつながる。
2023年の卯年におきそうなこと
2023年が株価上昇につながるのか?2022年に次いで乱高下の年になるかは、インフレ動向、米長期金利動向など外部環境次第だろう。
ただ、米大統領選を控え、2023年後半か2024年の辰年にむけて、相場が好転する兆しが出はじめる1年となることを期待したい。
文/編集・dメニューマネー編集部
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