NISA・つみたてNISA

40・50代が新NISAを始めたいワケ──「老後資金」を計画的作るために

2023/01/12 10:00

40・50代で、老後資金をもっと蓄えたいのなら、2024年に制度が改定される新NISAを始めることを考えましょう。定年後の暮らしを安定したものにするために、新NISAの仕組みを今からおさえておきたいところです。 新NISAなら1,800万円まで非課税で投資できる 40・50代など、老後までにあまり長い時間がない人でも、

40・50代で、老後資金をもっと蓄えたいのなら、2024年に制度が改定される新NISAを始めることを考えましょう。定年後の暮らしを安定したものにするために、新NISAの仕組みを今からおさえておきたいところです。

新NISAなら1,800万円まで非課税で投資できる

40・50代など、老後までにあまり長い時間がない人でも、新NISAなら、生涯の非課税枠が1,800万円、年間の投資上限が360万円に広がるので、最短5年で1,800万円を投資に回せるようになり、老後までに一定の資産を築けそうです。また、非課税で運用できる期間も“無期限”になる点も見逃せません。

現在のNISA制度の課題は、投資できる枠が少ないこと、非課税で保有できる期間が短いことでした。

たとえば、つみたてNISAは、年間の上限が40万円、非課税期間が20年間です。このため、定年までの期間が短い40・50代には使いにくい制度と指摘されていました。

また、一般NISAは年間の上限が120万円、非課税期間が5年間です。つみたてNISAよりまとまった資金を投資できるものの、投資対象が幅広く商品選びが大変で、初心者が老後資金を積み立てるにはリスクがありました。

現行のNISA制度では、トータルの非課税枠も決して大きくありませんでした。つみたてNISAが800万円、一般NISAが600万円ですが、この2つは併用できないため、最大でもつみたてNISAの800万円でした。このため、老後に備えて大きな資産を作るには不向きとされていました。

この点、新しいNISAなら、定年までの期間が短くても、ある程度の資金を計画的に投資でき、しっかりと備えられそうです。老後は非課税で運用を続けながら、必要に応じて少しずつ取り崩すとよいでしょう。

初心者はまず「つみたて投資枠」を活用しよう

新しいNISAで変わる点は、非課税の枠や期間だけではなく、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」が設けられます。新しいNISAでは年間の投資枠が360万円になりますが、そのうち「つみたて投資枠」が年間240万円、「成長投資枠」が120万円です。イメージとしては、今のつみたてNISAが「つみたて投資枠」、一般NISAが「成長投資枠」にあたりますが、初めて投資するなら毎月一定額をコツコツ投資できる「つみたて投資枠」の活用を検討してみてください。

初心者のうちは、今が値上がりしているのか値下がりしているのか判断しづらいものですが、「つみたて投資枠」なら、自然と「値下がりしているときにたくさん買って、値上がりしているときに買い控える」ことができます。

そして、投資経験を積んで買い時を見極められるようになったら、「成長投資枠」で追加投資すればよいでしょう。

新しいNISAは、40・50代が短期間で老後資金を貯める上で見逃せない制度です。非課税での保有期間が無期限になるので、一度投資して運用を続ければ、生涯にわたって非課税のメリットを得られます。定年から逆算して、計画的に投資を始めるのが得策でしょう。

なお、この記事の内容は、2022年12月に公表された内容を元に執筆していますが、今後、制度の名称や詳しい内容が変更される場合もありますので、注意してください。

文・木崎 涼(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部

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