NISA・つみたてNISA

「新NISA」で20・30代が注意すべきこと!コツコツ投資しないと損をする?

2023/01/16 10:00

NISAの制度が2024年に変わり、課税されない枠が大幅に増えるため、20・30代は、早くから始めることで老後にできる資産に大きな差が生まれます。どこがどう変わるのかを知っておかないと、損するかもしれません。 つみたてNISAと一般NISAが併用可、期間も無期限に。つまり早く始めたほうがいい 新NISAは、生涯の非課税

NISAの制度が2024年に変わり、課税されない枠が大幅に増えるため、20・30代は、早くから始めることで老後にできる資産に大きな差が生まれます。どこがどう変わるのかを知っておかないと、損するかもしれません。

つみたてNISAと一般NISAが併用可、期間も無期限に。つまり早く始めたほうがいい

NISAは、生涯の非課税枠が1,800万円に増え、必要に応じて現金化しやすくなりました。

現在のNISAでは、非課税で投資できる枠(額)は、つみたてNISAが「年間40万円×20年=800万円」、一般NISAが「年間120万円×5年=600万円」で、2つのNISAは併用できませんでした。

2024年からは併用できるようになり、非課税枠も2~3倍になります。

年間で投資できる金額は360万円。具体的な内訳は、今のつみたてNISAにあたる「つみたて投資枠」が120万円、一般NISAにあたる「成長投資枠」が240万円です。

生涯の非課税枠は1,800万円で、現金化した分の枠は復活します。

たとえば、新NISAで500万円投資すると、残りの非課税枠は1,300万円です。お金が必要になり300万円分を現金化したら、300万円分の枠が復活し、残りの非課税枠が1,600万円になります。

結婚や出産、子どもの進学などライフイベントでお金がかかる20・30代も利用しやすくなるでしょう。

また、非課税の期間が“無期限”になったため、早く始めるほど長く非課税で運用できます。

「上限360万円」を使い切るとかえって損をすることも

ただ注意点もあり、それは非課税枠の上限が年間360万円に改定されますが、この枠をすぐに使い切ってしまうと、逆に損してしまうかもしれないということです。

どういうことかというと、たとえば年間360万円の上限ぎりぎりで投資すると、たった5年で生涯の非課税枠1,800万円を使い切ってしまいます。

そのあと、リーマンショックやコロナショックのような大暴落が起きて、金融商品の額が安くなっても、非課税枠を使っての投資ができません。大きな利益を狙えるタイミングで非課税枠を利用できないのはもったいない、損と言えるのではないでしょうか。

また、投資初心者のうちは、商品が割高かどうか分からないことがあります。たまたま割高なときにたくさん投資して非課税枠を使い切ってしまうと、値下がりで損が出てしまい、必要なときに取り崩しにくくなります。

少額から早めに投資して経験を積みながら、社会情勢を見て追加で投資するとよいでしょう。

20・30代は少額からでも投資を始め継続しよう

20・30代は、老後まで30~40年の時間があるため、時間を味方につけてコツコツ投資を続けましょう。

たとえば、毎月20代で1万円、30代で2万円、40代で3万円、50代で4万円積立投資をすれば、40年で投資元本は1,200万円になります。家計に余裕がある時に600万円分を追加で投資に回せば、それだけで非課税枠を使い切れるかもしれません。

投資する期間が長ければ、1回あたりの投資に回す金額が小さくても、大きな資産を築けます。年間の上限にとらわれず、少額から早めに投資を始め、生涯1,800万円の非課税枠を最大限活用しましょう

なお、この記事は2022年12月に公表された内容を元に執筆しているため、公表前に予定されていた新しいNISAとは内容が大きく変わっています。また、2024年の制度開始までに、名称や詳細が変更になる場合もあるので、その点は注意しください。

文・木崎 涼(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部

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