マイナンバーカードの申請期限が2月末までに延長されたが、カードの申し込み手続きを装った詐欺被害が多発している。「自分はだまされないだろう」と思っていても、もしかしたら実家の親がマイナンバー詐欺の被害にあうかもしれない。実際、60歳以上のお年寄りからの相談が増えているという。どんな詐欺の手口が横行しているのだろうか。
1 手続きに関する詐欺──「登録手数料」「代行手数料」の名目でお金をだまし取られる
まず注意したいのは、役所の職員を名乗る人物が訪問してきたときだ。詐欺師は「マイナンバーカードを申請するにはお金がかかる」と、言葉巧みに登録手数料という名目でお金をだまし取る。
実際に、詐欺にあった人の事例を見てみよう。
高齢のAさんのもとに、ある日突然サラリーマンのような見た目の男が訪問してきたという。その人物は「マイナンバーカードの手続きにはかなり時間がかかるから代行する」と言葉巧みにAさんを説得し、代行手数料の名目でお金をだまし取った。
2 情報漏えいに関する詐欺──「個人情報が漏れている」といわれ、お金や通帳を要求される
ある人は警察官を名乗る人から電話を受け、マイナンバーカードと銀行口座の暗証番号が漏れていることを伝えられた。
その後口座の暗証番号を聞かれ、「キャッシュカードや通帳を回収して確認する」といわれてだまし取られてしまった。
こういった電話があった場合は、一度電話を切って所轄の警察署へ連絡すべきだ。そして、本当に今さっき電話したか、しっかり確かめる必要がある。
3 個人情報の収集に関する詐欺──マイナンバーを口実に個人情報を聞いてくる
役所の職員と名乗る人物が訪問してきて、名前やマイナンバー、家族構成、年金受給者かどうかなどを聞かれた事例もある。
詐欺師の中には資産状況や、何の保険に加入しているのか、といった細かい個人情報まで聞き出してくる者もいるという。
ここで仕入れた情報は、おそらく別の詐欺の情報として使用するのだろう。役所の人間がこのようなことを、玄関先で聞くことはないので注意したい。
不審な電話・訪問には注意!不安なら消費生活センターなどに相談を
国や地方自治体の職員が、金融機関の口座番号や口座の暗証番号、家族構成、年金といった個人情報を聞いてくることはない。ましてやキャッシュカードや通帳の提出、手数料の要求することなどない。
年老いた親と離れて暮らしているのなら、最近個人情報を聞いてくる電話などがなかったかどうか、近況と一緒に聞いておこう。それだけで、親への注意喚起になる。
少しでも不安があれば、近くの消費生活センター(消費者ホットライン188)や警察(相談専用電話#9110)などに相談することが大切だ。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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