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【お金の心理学】「損が怖くて投資できない」人こそ損してる?投資を始められない心理とは

2021/12/27 12:00

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連載「お金の心理学」第2回 買い物や投資について、自分の意志で冷静に判断したつもりが、実は売り手の巧みな戦略に乗せられているだけかもしれません。お金にまつわる「心理学」の知識をつけて自分の無意識を知り、知らず知らずのうちに他人や運命にコントロールされる人生から脱しましょう。 あなたはどっち?「賞金くじ」と「罰金くじ」の

連載「お金の心理学」第2回

買い物や投資について、自分の意志で冷静に判断したつもりが、実は売り手の巧みな戦略に乗せられているだけかもしれません。お金にまつわる「心理学」の知識をつけて自分の無意識を知り、知らず知らずのうちに他人や運命にコントロールされる人生から脱しましょう。

あなたはどっち?「賞金くじ」と「罰金くじ」の問題

投資を始めたいけど損が怖くて始められないでいる人も少なくないでしょう。そんな人は、無意識のうちに損失を過剰に見積もっているかもしれません。それに気づくため、次の「賞金くじ」と「罰金くじ」の問題を解いてみましょう

次のような「賞金くじ」がある場合、あなたはAとBのどちらを選びますか?

A:100%の確率で6,000円を受け取れる。
B:60%の確率で1万円を受け取れるが、40%の確率で何ももらえない。

また、次のような「罰金くじ」がある場合、あなたはCとDのどちらを選びますか?

C:100%の確率で6,000円損する。
D:60%の確率で1万円損するが、40%の確率でまったく損をしない。

どちらの問題でも、くじの期待値は変わりません。

A・Cの期待値:6,000円×100%=6,000円
B・Dの期待値:1万円×60%+0円×40%=6,000円

合理的には、2つの選択肢に優劣はないのですが、賞金くじではAを選ぶ人が多く、罰金くじではDを選ぶ人が多いということが分かっています。どうしてこのようなことが起こるのでしょうか?

人間は得をする喜びより、損をする苦しみを大きく見積もるもの――プロスペクト理論

行動経済学に「プロスペクト理論」という考え方があります。これによると、「人間は得をする喜びより、損をする苦しみを大きく見積もる」といわれています。100万円得する喜びと100万円損する苦しみを比較した場合、苦しみのほうを大きく見積もりがちだということです。

得をする可能性と損をする可能性が理論上は等しくとも、人間は損失を過剰に恐れて意思決定を歪めてしまうものなのです。

「投資で損をするのが怖い」という気持ちが強い理由は、プロスペクト理論で説明できるかもしれません。このように損失を過剰に見積もる無意識の働きが、資産形成の足かせになることがあります。

「何もしない」のは「得られたはずの利益が得られない」ということ

「投資で成功したい」という気持ちがあるなら、まずは自分自身の無意識の働きを見つめ、非合理的な判断をしていないかチェックすることが大切です。

なぜ「損をするのが怖い」という気持ちになってしまうのでしょうか。損失が怖くて投資を始められない人は、「50万円を投資したら、50万円がすべて失われてしまうのではないか?」といった極端な想定をしがちです。

しかし、現実的には、たとえば次のような想定ができるでしょう。

「50万円を投資したら、5万円増えて55万円になるかもしれないし、5万円減って45万円になるかもしれない」

こうすれば、得と損とを天秤にかけて、冷静な判断ができるのではないでしょうか?(※金額はあくまで目安であり、実際の運用損益を示すものではありません)

投資には確かにリスクがありますが、損をする可能性があるからこそ資産が増える可能性もあります。また、複数の商品に資産を分散したり、長期間にわたって投資したりすることで、リスクを抑えることもできます。

投資を始めるかどうか悩んでいる時は、「今ある資産を失うこと」に目が向きがちですが、「得られるはずの資産を得られない」ことも、ある意味損失といえるかもしれません。

投資をせず現状維持をしていれば、「何も失ってはいない」と錯覚しがちです。しかし、「投資を始めない」「投資を後回しにする」という行動は、投資を始めていたら得られた資産を得る機会を失ったのと同じことです。行動を起こさないことそのものが、機会損失を生んでいるのです。

根拠のない「損失を恐れる心」に縛られて行動を起こさないのはもったいないことです。自分自身の無意識の働きに気づき、過剰に損失を恐れる心に打ち克ち、悔いのない選択をしたいものです。

文・木崎 涼(ファイナンシャル・プランナー)
編集・濱田 優(dメニューマネー編集長)

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