老後にかかる費用の負担を減らすため、国や自治体はさまざまな助成金を用意しているが、中には「こんな費用も負担してもらえるの?」と驚くようなものもある。親や自分自身の老後に役立つかもしれない、意外な助成金を見てみよう。
1 補聴器代の助成──3万5,000円を助成する自治体も
補聴器の購入費を助成してくれる市区町村は多い。
例えば、東京都中央区で、医師から補聴器を使う必要があると認められた65歳以上の人に対して、3万5,000円を上限として助成している。
助成を受ける本人の所得額には基準があり、扶養する人がいない場合はおよそ267万円以下、1人を扶養している場合はおよそ315万円以下だ。
2021年度(令和3年度)における老齢年金(老齢基礎年金+老齢厚生年金)の平均額は、ひと月あたりおよそ14万6,000円で、年間でおよそ175万円だ。
この平均額を踏まえると、助成を受けるための所得額の基準は高くないだろう。
2 おむつ代の助成──自宅や入院先でかかるおむつ代がもらえる
おむつを自宅まで配送する、またはおむつ代を助成する市区町村も多い。
東京都杉並区では、「おむつが必要な介護保険の要介護3以上の人」「常時おむつが必要な要介護1・2の人」を対象に助成している。
具体的には月額7,000円の範囲内で、専用のカタログから選んだおむつを毎月自宅などに配送してくれる。
また、おむつの持ち込みが禁止されている病院に入院した場合、入院中に支払ったおむつ代について、7,000円を上限として助成してくれる。持ち込みができる病院の場合は助成金ではなく、おむつを配送する。
3 シルバーカー代の助成──1万円を助成してくれる自治体も
自治体によっては、歩行の補助として使うシルバーカーの購入費の一部を負担してくれる。
愛知県豊田市では、歩行に不安がある65歳以上の人を対象に助成している。助成額はシルバーカー購入費の2分の1で、上限は1万円だ。
通販サイトなどの情報を見ると、シルバーカーの価格帯は1万5,000〜2万円だ。
4 介護予防活動支援助成金──ラジオ体操などの活動に年間3万円
健康づくり・介護予防のための活動に対して、費用を助成してくれる自治体もある。
東京都豊島区では、ラジオ体操やウォーキング、脳トレなどの活動をする団体に、1団体あたり年間3万円を助成している。
助成金をもらうためには、「代表と構成員の半数以上が65歳以上」「月1回以上、または年間10回以上活動する」といった条件を満たす必要がある。
商品を買う前に自治体の情報を要チェック!
助成を受けるためには、自治体ごとに指定されている申請書や領収書の写しなどを提出する必要がある。中には、商品を買う前に申請が求められるものもある。
実際に助成金を活用する際は、商品を買う前に自治体のWebサイトなどで詳しい手続きの方法などを確かめよう。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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