「楽して稼ぐのはまっとうではない」は嫉妬!「仕事か投資か」から「仕事も投資も」へ【第2回】

2021/12/25 10:45

https://money.smt.docomo.ne.jp/image/T72YBl87SneooEWNbPSenQ.jpg
連載「お金の“食わず嫌い”をなくそう」第2回 「お金の話はするものじゃない」「稼ぎたい、儲けたいなんて下品」──。そう思っている人は多いでしょう。とかく「お金の話」はタブーと思われがちです。しかし、経済が自然と成長し、預金がいつの間にか増えるような時代は終わりました。お金の話は避けて通れません。お金に関する思い込みや、

連載「お金の“食わず嫌い”をなくそう」第2回

「お金の話はするものじゃない」「稼ぎたい、儲けたいなんて下品」──。そう思っている人は多いでしょう。とかく「お金の話」はタブーと思われがちです。しかし、経済が自然と成長し、預金がいつの間にか増えるような時代は終わりました。お金の話は避けて通れません。お金に関する思い込みや、挑戦しないままにしている食わず嫌いを止めるには、「お金」と正面から向き合い、自分なりの付き合い方を見つけることが大切です。

「お金は汗水たらして稼ぐもの」という固定観念

「楽してお金を稼ぐのはよくない。お金はちゃんと働いて稼ぐべきだ」――。

一度はこのような意見を耳にしたことはないでしょうか?「何となく理解できる」「確かにそうかもしれない」と感じる人もいるでしょうが、この意見は、“嫉妬”から生まれたものかもしれません。

このように言う人はたいてい、自分自身が長年働き、苦労してお金を稼いできた人でしょう。そうした人にとっては、楽をしてお金を稼いでいる人を認めることは、自分自身の生き方を否定することになります。だからこそ「楽をしてお金を稼ぐのはよくない」と否定することで、長年働いてきた自分の人生を肯定しようとする心理が働くのです。

この意見を受け入れてしまうと、自分も同じように働いてお金を稼ぐ道しか見えなくなります。

働かずにお金を稼いでいる人を見て「楽をしている。まっとうではない」と批判するのか。「どうやって稼いでいるんだろう?自分にもできるかな?」と興味を持ち、自分自身も挑戦するのか。どちらの行動をとるかによって、その先の人生は違ったものになります。

注目集める「FIRE」 労働所得と不労所得の関係

一般的に、労働によって得られる所得を「労働所得」と呼び、労働以外の方法で得られる所得を「不労所得」と呼びます。不労所得の代表例は「投資」です。最近は、経済的に自立し、早期リタイアを実現する「FIRE(Financial Independence, Retire Early)」という考え方が注目され、不労所得を得る仕組みをつくり仕事から早く引退したいという若者が増えているようです。

労働所得と不労所得に優劣はありません。大切なのは、どちらの選択肢も視野に入れた上で、自分に合った形で資産を形成することです。

「自分は働いている瞬間にこそやりがいを感じる」と思うなら、労働所得に比重を置きつつ、部分的に不労所得で資産を増やすといいでしょう。「働かずに収入を得て自由を謳歌したい」と考えるなら、不労所得だけで生計を立てる方法を模索しつつ、足りない部分を労働所得で補うのも1つのやり方です。

最近は日本でも投資の必要性が説かれるようになりましたが、まだ労働所得以外の選択肢に目を向けたことがないという人も少なくないでしょう。このような現状は、もったいないと言わざるを得ません。不労所得という選択肢があることを知り、実際に試してみることで、より自分に合った形で資産形成の方法を追求していけるはずです。

「仕事か投資か」ではなく「仕事も投資も」

労働所得の代表格である仕事と、不労所得の代表格である投資。この2つを切り離して考える必要はありません。むしろバランスよく仕事も投資も行うことで、相乗効果を狙えます。

たとえば、自分が働く業界に関しては知識もあり、業界の予測ができるはずで。たとえば「この商品・サービスがこれから流行るだろう」「将来はこうなるだろう」といったように。こうした予測は、資商品の見極めに役立ちます。

投資によって視野が広がり、仕事にいい影響が表れることもあります。投資で得た知識を商品開発に活かしたり、投資で得られた知見で顧客との会話が弾んだり。知識や資産が増えることは、心の余裕にもつながり、さまざまな場面でいい影響を生み出してくれるでしょう。

仕事と投資、労働所得と不労所得。どちらか1つに絞る必要はありません。自分の価値観や生活スタイルとも相談しながら、仕事と投資のバランスを調整していけばいいのです。

文・木崎 涼(ファイナンシャル・プランナー)
編集・濱田 優(dメニューマネー編集長)

【もっとお金に詳しくなるには?】(外部サイトに飛びます)
初心者向け!ネット証券オススメランキング
つみたてNISA 毎月いくら積み立てるのがいい?