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【恋愛×マネー】高所得者は離婚する前に知っておきたい「コンピ地獄の罠」【連載・第2回】

2021/12/27 13:00

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恋愛の相手を選ぶ基準が「愛情」だという意見はもっともです。それは否定しませんが、「お金」も基準の一つとして持つこともまた、否定すべきではありません。資本主義社会で暮らしている以上、パートナー選びから、お付き合い、結婚などあらゆる場面・ステージに、「お金」という尺度を持って臨んだほうがいいでしょう。 それは男性でも女性で

恋愛の相手を選ぶ基準が「愛情」だという意見はもっともです。それは否定しませんが、「お金」も基準の一つとして持つこともまた、否定すべきではありません。資本主義社会で暮らしている以上、パートナー選びから、お付き合い、結婚などあらゆる場面・ステージに、「お金」という尺度を持って臨んだほうがいいでしょう。

それは男性でも女性でも、老いも若きも同じです。本連載では、恋愛におけるさまざまなシーンを題材にし、マネー・お金を軸にした見方・考え方を検証。物心両面で満ち足りた、自分の理想の暮らしを手にするための戦略を考察していきます。

第2回は、「離婚」がもらたす経済的損失について──。

「年収2,000万円超の高所得者は、専業主婦(夫)とだけは結婚するな。地獄を見るぞ……」

離婚裁判に詳しい専門家の間では、このように、まことしやかに囁かれていることをご存知でしょうか。その理由を見ていきましょう。

離婚でかかるお金は慰謝料だけじゃない!キーワードは「コンピ」

結婚時は永遠の愛を誓っても、残念ながら、色々な事情で離婚を選ぶカップルは一定数います。そのなかで「婚姻費用(通称コンピ)」という言葉を知っており、内容を理解したうえで離婚を決意する人はどれくらいいるのでしょうか。

慰謝料や財産分与、養育費の発生については、認識している人がほどんとでしょう。しかし、高所得者が離婚する際に、この婚姻費用が大きな経済的損失を与える可能性があることは、意外と知られていません。

婚姻費用とは何でしょうか。民法第七百六十条には「夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する」と記載されています。この「婚姻から生ずる費用」が婚姻費用を指しています。

最高裁判所のウェブサイトには「別居中の夫婦の間で、夫婦や未成熟子の生活費などの婚姻生活を維持するために必要な一切の費用」と記載されています。具体的には、衣食住の費用のほか、出産費、医療費、未成熟子の養育費、教育費、相当の交際費などのおよそ夫婦が生活していくために必要な費用が含まれると考えられています。

要するに婚姻費用とは、「配偶者が自分と同レベルの生活を送るための費用」ととらえれば良いでしょう。婚姻費用は、夫婦間の経済状況が平等になるように、収入が高いほうから低いほうへ支払われます。

婚姻関係が続く限り、婚姻費用の支払い義務が発生する

通常の結婚生活が続く限り、夫婦は同居して、同じようなレベルの生活を送るため、婚姻費用の支払いが議論にあがることはないでしょう。問題は、離婚協議中に別居しているパターンです。

婚姻費用の支払いについて、夫婦間の話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に調停または審判の申立てをすることができます。調停が不成立になった場合は、自動的に審判手続が開始されます。原則として、裁判官が、収入が高いほうに、算定表に沿った婚姻費用の支払い命令を下すのです。

離婚が成立すれば夫婦ではなくなりますので、婚姻費用の支払い義務も消滅します。反対に言えば、婚姻関係が続く限り、婚姻費用の支払い義務が発生し続けます。

つまり「コンピ地獄」とは……

ここでピンと来た方も多いのではないでしょうか。

経済的観点に絞った場合、別居していても婚姻関係が続く限り婚姻費用を受け取れる側には、できるだけ離婚協議を長引かせるインセンティブが発生します。そうでなくても離婚裁判は長く、別居開始から数えると、1年はあっという間に過ぎてしまうことが多いでしょう。

早く離婚して婚姻費用の支払いから開放されたいのになかなか離婚が成立しない、これが俗に「コンピ地獄」と呼ばれる現象です。

高所得者は月数十万円の支払いが発生

婚姻費用はどれくらいかかるものなのでしょうか。最高裁判所がインターネット上に「標準算定方式・算定表(令和元年版)」を掲載しています。いくつかのケースを見ていきましょう。なお子どもがいるケースはすべて、妻が子どもを引き取るものとします。

ケース1

子どもなし、夫が年収1,000万円の会社員、妻が年収500万円の会社員
→月6〜8万円を妻に払う

ケース2

子どもなし、夫が年収1,000万円の会社員、妻が専業主婦(収入なし)
→月16〜18万円を妻に払う

ケース3

子どもなし、夫が年収2,000万円の会社員、妻が専業主婦(収入なし)
→月30〜32万円を妻に払う

ケース4

0〜14歳の子ども1人、夫が年収2,000万円の会社員、妻が専業主婦(収入なし)
→月38〜40万円を妻に払う

ケース5

15歳以上の子ども1人、夫が年収2,000万円の会社員、妻が専業主婦(収入なし)
→月40〜42万円を妻に払う

ケース6

15歳以上の子ども3人、夫が年収2,000万円の会社員、妻が専業主婦(収入なし)
→月48〜50万円を妻に払う

ケースによっては相当高額の婚姻費用となることが分かります。どのようなときに婚姻費用の負担が大きくなるかまとめてみました。

・自分の年収が高いとき
・配偶者の年収が低いとき
・配偶者が引き取った子どもの年齢が高いとき
・配偶者が引き取った子どもの人数が多いとき

この条件に当てはまるときは要注意です。

離婚を切り出す前に、婚姻費用に詳しい弁護士に相談を

コンピ地獄の厄介な部分は、離婚の原因が配偶者にあって別居が始まった場合(配偶者が不貞行為をした場合など)でも、婚姻費用を支払わなければならない可能性があることです。不貞行為を立証するのは、意外と難しいのです。

同じくらいの収入のカップルであれば、婚姻費用を気にする必要はないでしょう。しかし、あまりにも収入が違う場合は、離婚を切り出す前に、婚姻費用に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。

執筆・元証券マンの恋愛相談所長K
編集・dメニューマネー編集部

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