ロックユニット、B'zの公式サイトが更新され、ごく一部のファンがメンバー・サポートメンバーに対し、写真・動画撮影などの追っかけ行為をしているとして、迷惑行為への自粛を求めた。もし自分が映った写真が勝手にアップされた場合、どのように対処すればよいのだろうか。

写真を勝手にアップされると「肖像権」の侵害になることも

自分が映った写真を勝手にアップされると、「肖像権」の侵害になることがある。

肖像権とは、自分の容姿をみだりに撮影・使用・公表されない権利のことだ。

肖像権は法律で明文化された権利ではなく、肖像権を侵害しているかどうかを判断する明確な基準はない。写真の内容や撮影場所など、さまざまな要素を総合的に見て判断されるが、次のような条件に当てはまると、肖像権を侵害している可能性が高くなる。

・写真に映っている人が誰であるかがはっきり分かる
・SNSやブログなど、拡散性の高い媒体にアップされた
・写真に映っている本人に、撮影・公開の許可を取っていない
・自宅などの私的な空間にいるときの写真をアップされた

写真を勝手にアップされたときの2つの対処法

自分が映った写真をSNSなどに勝手にアップされた場合、主に2つの対処法がある。

SNSの管理者に写真を消してもらうよう要請する

写真は一度アップされると、どんどん拡散されて多くの人に見られるかもしれないので、一刻も早く消してもらうことが大切だ。

写真の投稿者に直接削除を求めることもできるが、投稿者が分からないケースもある。

そのような場合は、投稿されているSNSの管理者に対して肖像権が侵害されていることを伝え、削除要請フォームやメールなどを通じて削除を要請しよう。

ただし、写真を消すかどうかはあくまでも管理者の判断に委ねられ、消してもらえないこともある。その場合は弁護士などに相談し、法的根拠をもとに削除を要請する方法もある。

誹謗中傷などの被害に遭った場合は慰謝料を請求する

肖像権の侵害を処罰する法律はないので、写真を勝手にアップしただけで罪に問われて逮捕されることはない。

しかし、写真をアップされたことがきっかけで悪質な誹謗中傷などの被害にあった場合は、民法の不法行為に該当する可能性があり、その場合は慰謝料を請求することもできる。

実際に、あるWebサイト上に自分の写真を勝手にアップされたことを訴え、裁判所が35万円の賠償金（慰謝料30万円＋弁護士費用5万円）を認めた事例もある。

写真を勝手に使われてしまうと、精神的な苦痛を受けるだけでなく犯罪に巻き込まれることもあるので、気づいた時点ですぐに対処しよう。

文・廣瀬優香（フリーライター）
編集・dメニューマネー編集部

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