2月値上げはポッキー、ランチパック……値上げする企業の株価はどうなるのか?昨年値上げした企業の株価はどうだった?

2023/02/01 07:00

2023年2月は昨年10月に続く飲食品の値上げラッシュになる見込みだが、株式市場では飲食品メーカーの「値上げは買い」というのが定番だ。 生活必需品が多く、値上げ前に買いだめの特需が起こり、値上げしても買わざるを得ない商品が多いからだ。ただ、相次ぐ値上げにその法則も崩れ始めたようだ。 2月は昨年10月に続く値上げラッシュ

2023年2月は昨年10月に続く飲食品の値上げラッシュになる見込みだが、株式市場では飲食品メーカーの「値上げは買い」というのが定番だ。

生活必需品が多く、値上げ前に買いだめの特需が起こり、値上げしても買わざるを得ない商品が多いからだ。ただ、相次ぐ値上げにその法則も崩れ始めたようだ。

2月は昨年10月に続く値上げラッシュ

2022年は世界的なインフレと円安進行によって飲食品原材料の高騰が続き、多くの飲食料品メーカーが採算悪化から値上げに踏み切らざるを得なかった。

2022年の食品値上げ件数は2万品目を超え、平均値上げ率は14%に達した(帝国データバンク)。特に10月の値上げラッシュは月間約6700件と過去30年でも異例の「記録的な値上げラッシュ」だった。

2023 年も4月までにすでに約7200品目の値上げが決まっており、 22 年比 1.5 倍超のペースだ。特に2月は約4300品目と昨年10月に次ぐ値上げラッシュになる。

主な値上げ予定商品は、冷凍食品(ニッスイ <1332> 、ニチレイ <2871> )、トマトジュース・ケチャップ(カゴメ <2811> )、カロリーメイト(大塚HD <4578> )、ポッキー(江崎グリコ <2206> )、乳飲料(雪印メグミルク <2270> )エナジードリンクモンスター(アサヒグループHD <2502> )、ランチパック(山崎製パン <2212> )などだ。

2022年10月に値上げを実施した企業の株価推移を振り返る

昨年10月の値上げラッシュ時に主力商品を値上げした大手飲食品メーカーの株価推移を追ってみた。株価は値上げ発表時点でプラスに反応することも多いが、短期的な反応でなく、値上げ前の9月末と現在の株価を対比してみた。

10月に主力商品を値上げした企業のパフォーマンス

(2023年1月27日引け値 2022年9月末対比)

森永乳業 <2264>  10.2%高
明治HD <2269>  2.8%高
コカ・コーラボトラーズジャパンHD <2579>  4.5%安
アサヒグループHD <2502>  4.9%安
キユーピー <2809>  6.1%安
伊藤園 <2593>  23.5%安

株式市場では値上げは買い材料と言うが、森永、明治以外の4銘柄の株価は下落している。主力商品の度重なる値上げだけでなく、電力・ガスなど公共料金も値上げが激しいため、生活防衛のための買い控えが始まり、値上げが需要減につながっている可能性がある。

10月値上げの業績インパクトが明らかになる10〜12月決算は発表前だ。4月決算の伊藤園の8〜10月四半期は値上げ効果もあって売上11%増、営業利益17%増と増益になっている。

しかし、4月決算のキユーピーの9〜11月四半期は売上9%増ながら、営業利益33%減と値上げ効果は発揮できていない。他社の10〜12月決算を見定める必要があるが、値上げが収益増につながらないケースも増えていそうだ。

飲食料品メーカーは原材料高が続き消耗戦

やや古い分析だが、野村證券は2021年に飲食品株の値上げと株価の値動きを検証した。2013~20年までは値上げ企業の株はTOPIXを平均で2~4ポイント上回っていた。

しかし、2021年は最大4ポイント下回った。2022年は値上げ率、値上げ頻度がさらに高まったことから、値上げ企業の株高との連動性はさらに低くなっている可能性が高そうだ。

値上げはまだ続くとの見方も多い。たとえば、マヨネーズのキユーピー <2809> は、2021年7月、2022年3月、10月に3度値上げした。マヨネーズではないが、卵の値上がりもあり2023年3月からはパスタソース、たまご加工品などを値上げする。

飲食料品メーカーにとっては、原材料高と買い控えとの闘いで厳しい状況が続きそうだ。

文/編集・dメニューマネー編集部

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