株で損すると「税金が安くなる」は本当か 税金が安くなる2つのケース

2023/02/06 07:00

株で損した人が確定申告をしないと、税金を納め過ぎてしまうことがあります。納め過ぎたとしても誰も教えてくれないので、2つの税金のメリットをよく知っておき、損をしないようにしましょう。 1 損失と利益を相殺できる「損益通算」 株で損したときは損益通算で損失と利益を相殺できるので、利益にかかる税金が安くなります。 たとえば、

株で損した人が確定申告をしないと、税金を納め過ぎてしまうことがあります。納め過ぎたとしても誰も教えてくれないので、2つの税金のメリットをよく知っておき、損をしないようにしましょう。

1 損失と利益を相殺できる「損益通算」

株で損したときは損益通算で損失と利益を相殺できるので、利益にかかる税金が安くなります。

たとえば、A証券会社の口座で10万円の利益が出て、B証券会社の口座で6万円の損失が出たとします。確定申告をしないと、A証券会社では10万円の利益に約2万円の税金がかかり、B証券会社では税金がかかりません。

しかし確定申告をして損益通算すれば、10万円の利益と6万円の損失を相殺できるので、4万円の利益に対して約8,000円の税金がかかるだけで済みます。確定申告をすれば、天引きされた約2万円の税金から約8,000円を差し引いた約1万2,000円が還付されます。

証券会社を2つ以上利用していて、利益が出た口座と損失が出た口座があるなら、確定申告で税金が返ってこないか確認してみましょう。

2 損失を来年以降の利益と相殺できる「繰越控除」

確定申告をすれば損失を最大3年間持ち越せるため、来年以降の税金が安くなります。

たとえば、ある年に10万円損をして、翌年は6万円、翌々年は4万円の利益が出たとします。確定申告をしないと、翌年は約1万2,000円、翌々年は約8,000円、3年間で合計2万円の税金がかかります。

しかし、最初の年に確定申告をしておけば、10万円の損失と翌年以降の利益を相殺できるため、3年間でかかる税金は0円になります。

利益が出てからさかのぼって繰越控除をすることはできないので、損をした年に面倒でも確定申告をしておきましょう。

含み損やNISAは対象外

損益通算や繰越控除を使えるのは、値下がりした株を売却して損失が出たときです。値下がりして含み損を抱えただけでは、使えないことに注意しましょう。また、税金がかからないNISA口座では、損益通算や繰越控除は使えません。

かといって、税金のことだけ考えて値下がりした株を売却するのは危険です。含み損ならいずれ値上がりして損失から利益に転じることもあるので、売却のタイミングは慎重に見極めてください。

文・木崎 涼(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部

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