「自分の親は元気だから、介護はまだ先のこと」と思っていても、親が倒れていきなり介護が始まってしまうことは、誰にでもあり得る。そのようなときは、冷静な判断ができなくなりがちだ。介護が急に始まったときにトラブルにならないために、どのようなことに気をつければよいのだろうか?
NG行為1 親のお金の管理方法が分からないからといって費用を立て替え続ける
急に介護が始まり、親のお金がどのように管理されているのかわからないからといって、介護費用を立て替え続けるのはよくない。
介護を始めた時は問題なくても、介護期間が長くなれば、自分の生活を圧迫するかもしれないからだ。自分の老後に影響が出ることもある。
親の介護費用は、親の貯金や年金から払うのがよいだろう。
そのためには介護が始まる前に、親のお金が入っている口座や引き出し方法を把握しておくのが理想的だ。
また、介護が始まったときに把握していなかったとしても焦らず、できるだけ早めに金融機関などに確認すべきだ。
親の貯金や年金から払う場合も、やむを得ず自分が立て替える場合も、あとでトラブルにならないよう、「いつ」「何に」「いくら」使ったのか記録しておこう。
NG行為2 仕事と介護の両立が難しいからといってすぐに仕事を辞めようとする
「仕事と介護の両立が難しい」「大切な親のためにできるだけのことをしたい」といった理由で、すぐに仕事を辞めようとするのもよくない。
安定した収入がないと利用できる介護サービスが限られるし、介護の負担が増えて「介護うつ」などになるケースもある。
介護が終わったあと、いまと同じような仕事に就けるとも限らない。
すぐに仕事を辞めるのではなく、介護休暇や介護休業などの制度や、デイサービスなどの介護サービスを使いながら仕事を続けられないか考えよう。
NG行為3 兄弟姉妹で介護方針を話し合わないまま介護を続ける
介護がいきなり始まると、兄弟姉妹の中でも親と一緒に住んでいる人など、とりあえずできる人が介護を引き受けるケースが多い。
しかし、介護方針を話し合わないまま介護を続けると、その人に負担が集中してしまうためトラブルにつながりかねない。
介護方針は介護が始まる前に話し合っておくのが理想だが、予想しない形で介護が始まった場合は、そのときに話し合うしかない。
負担が1人に集中しないように注意しながら、「誰が主な介護者になるのか」「遠方に住んでいる人は資金援助をできないか」など、役割分担を決めよう。
親の介護がいきなり始まると、どうしてよいのか分からず判断を誤ってしまうこともある。もしものときは、冷静に判断して金銭的な負担や精神的な疲労を軽減してほしい。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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