ウォーレン・バフェット──暴落銘柄で利益を生む「逆張り投資」で財を成す

2021/12/24 12:30

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「投資の神様」と呼ばれる米国人がいる。御年90歳のウォーレン・バフェット氏だ。11歳で株式投資を始め、今や彼の資産は10兆円を突破している。ではなぜバフェット氏は投資で莫大な利益を残せたのか。結論を言おう。「逆張り」の投資術を実践したからだ。 並外れた投資成果を残し続けているバフェット氏 ウォーレン・バ

「投資の神様」と呼ばれる米国人がいる。御年90歳のウォーレン・バフェット氏だ。11歳で株式投資を始め、今や彼の資産は10兆円を突破している。ではなぜバフェット氏は投資で莫大な利益を残せたのか。結論を言おう。「逆張り」の投資術を実践したからだ。

並外れた投資成果を残し続けているバフェット氏

ウォーレン・バフェット
(画像=alkov / stock.adobe.com)

ウォーレン・バフェット氏は現在、アメリカの投資会社バークシャー・ハサウェイの会長を務めており、多くの機関投資家や個人投資家がバフェット氏の売買判断に注目している。最近では、昨2020年、日本の総合商社株に投資したことが世界的に話題になった。

バフェット氏がここまで投資の世界で注目されている理由は実に単純だ。並外れた投資成果を長年残し続けているからだ。しかし理由は単純でも、「並外れた投資成果を残し続ける」ことは極めて難しい。個別銘柄の株価や株式相場は大暴落することもあるからだ。

そんな中、長年にわたるバフェット氏の成功の理由を端的な言葉で言い表すのは難しいが、「逆張り」の投資が彼に大きな利益をもたらし、その利益を再投資してさらに利益を拡大してきたことは揺るがない事実だ。

「落ちてくるナイフをつかむ」逆張りの使い手

株式投資でいう「逆張り」とは、株価が下落しているときに株を買い、その後の株価の上昇に期待する投資手法だ。逆に、株価が上昇しているときに株を買うことを「順張り」と呼ぶ。一般的には順張りの方がリスクは小さいとされる。

逆に逆張りは「落ちてくるナイフはつかむな」と言われるほど、大きなリスクを含んでいることが多い。それでもバフェット氏は逆張り投資で成功を収めてきた。

例えば、2008年の金融危機「リーマン・ショック」の後、米金融大手ゴールドマン・サックスは経営危機に陥り、株価は暴落していた。このタイミングでバフェット氏はゴールドマンサックスに50億ドルを出資し、その後に巨額の利益を得た。

経営危機のゴールドマン・サックスに巨額出資した理由

バフェット氏がゴールドマン・サックスに出資したのは、目先の利益よりも将来の利益を見据えているからだ。

一時的に株価が下がったとしても、多くの有力企業・有望企業の株価は次第に回復していく。であれば、株価が急落したときは買いのチャンスだ。こうした投資手法を「バリュー投資」と呼び、バフェット氏もバリュー投資家の1人に数えられる。

しかし、「落ちてくるナイフをつかむ」のには勇気がいる。株価が暴落時、もっと株価が下落するかもしれない中で買い付けを行うのは、常人の神経ではなかなか難しい。そこをやってのけるのがバフェット氏だが、同氏が勇気だけで成功を重ねてきたわけではない。

「論文を書けるくらい研究しなければ、投資してはいけない」

企業研究なしに逆張り投資は成功しない。バフェット氏の「論文を書けるくらい研究しなければ、投資してはいけない」という言葉は有名だ。そして企業研究の重要性を如実に感じさせるのが、クレジットカード大手「アメリカン・エキスプレス」(アメックス)への投資だ。

話は1960年代に遡る。アメックスは融資事業において巨額の詐欺被害に遭った。破産した融資先が実は担保となる資産を有してなかったという事件だ。この事件によってアメックスの信頼度が落ちると先読みした投資家が同社の株式を次々と売り、株価は暴落した。

そんな中、バフェット氏はアメックスへの信頼度が落ちているのか調べるため、店舗を訪れて客のアメックスの利用状況を確認した。その結果、利用控えなどは起きていなかった。バフェット氏は同社の株式を大量に買い、その後の株価の回復で巨額の利益を得た。

90歳でもまだまだ現役、次の逆張り投資は!?

チャートの値動きだけを追って銘柄選択をするのは、非常にリスクが高い。逆張り投資は、企業研究なしでは無謀な挑戦となる。逆張り投資というカタチだけを真似ても、バフェット氏のような成果を残すことはできないのだ。

90歳になってもまだまだ現役投資家で居続けているバフェット氏。次はどんな逆張り投資で世界の投資家を驚かせ、学びを与えてくれるのだろうか。楽しみだ。

文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・濱田 優(dメニューマネー編集長)
(2021年4月19日公開記事)

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