有給の買い取りは禁止 3月までに使えないとどうなる?

2023/02/07 11:00

有給は勤務先が年度ごとに管理しているなら、3月末で未取得分の権利が消滅するかもしれません。「無駄にするのはもったいないから、残った分は会社に買い取ってほしい」と考えた場合、買い取りは可能なのでしょうか。 使わなかった有給は翌年に繰り越せる 取得できる有給の日数は勤続年数に応じて決まり、1年ごとに有給を取れる日数が確定し

有給は勤務先が年度ごとに管理しているなら、3月末で未取得分の権利が消滅するかもしれません。「無駄にするのはもったいないから、残った分は会社に買い取ってほしい」と考えた場合、買い取りは可能なのでしょうか。

使わなかった有給は翌年に繰り越せる

取得できる有給の日数は勤続年数に応じて決まり、1年ごとに有給を取れる日数が確定しますが、その年に使い切れなかった分は翌年に繰り越せます。使わなくても、その年限りで権利が消滅するわけではありません。

たとえば、2022年4月に20日分の有給の権利を取得して、翌年3月末までに5日しか使わなくても、残り15日分は繰り越せます。2023年4月に新たに20日分の権利が生じたら、繰り越し分との合計35日の有給を取得できます。

繰り越しても有給は2年で使えなくなる

有給を使えるのは付与日から2年で、何年も繰り越せるわけではありません。1年で20日の有給が付与される場合でも、「繰り越し続けて20年で400日の有給を貯めて、1年以上休む」といった使い方はできないのです。

たとえば、2022年4月に付与された有給のうち15日を繰り越すときは、2年後の2024年3月までしか使えません。

1年後の2023年3月時点で未取得なら翌年度に繰り越せますが、2年後の2024年3月時点でも未取得なら繰り越せず、有給の権利は消滅します。

有給の買い取りは原則として禁止

「仕事が忙しくて有給を使い切れない」という人もいるでしょうが、有給の買い取りは原則として禁止です。「権利が消滅して無駄になるくらいなら、会社に買い取ってもらって給料に上乗せして払ってほしい」と思っても、残念ながらできません。

有給はあくまで休んでリフレッシュすることを目的とする制度なので、計画的に使って心身の健康を保ちましょう。

文・大垣秀介(マネーライター)
編集・dメニューマネー編集部

【関連記事】
絶対避けたい!「老後破産」特集
初心者が投資を始めるなら何がおすすめ?(外部)
いつ借りる?借り換える?「住宅ローン」
積立NISAを始めるタイミングは2023年がベスト?(外部)
お金が貯まる?「風水・占い」特集

記事制作者