英語など社会人学習は以前から盛んだが、「リスキリング」という言葉が話題になり、さらに注目が高まっている。特に学習・教育を「自己投資」と考えて、時間やお金をかけてせっせと学んでいる人は多いのだが、その効果を実感できている人がどれだけいるだろうか。
英語を学んでいる人は確実に増えている
リスキリングとは、新しいことを学び、新しいスキルを身につけ実践し、新しい業務や職業に就くこと。岸田首相も信表明演説で予算を5年で1兆円の予算をつける方針を示している。
社会人学習の中でも特に人気なのは英語。25歳以上で英語を学んでいる人は、2011年には626万8,000人であったが、2021年には831万人まで増えている(総務省統計局)。
ほかにも会計やプログラミングなどが人気だが、重要な点が見逃されていないだろうか。というのも、学習を「自己投資」と考えているなら、「リターン」があるか、どの程度得られたかという振り返りだ。
そもそも投資とはリターンを狙うもの
株式など投資をする人ならたいてい、目標とするリターン(利益)を設定する。中には、あいまいなまま投資する人もいるだろうが、成功する投資家なら、投資する以上リターンを期待するし、リターンが期待できないら、そもそも投資などしない。
これは自己投資も同様だ。「自分」という人的資本に期待してお金や時間をかけ、リターンを狙うべきだろう。そして、リターンの最たるものが「収入アップ」ではないだろうか。
ひるがえって、これだけ英語を学ぶ人が増えた一方で、英語を学んだことによって年収が上がった人はどのくらいいるのだろうか?
趣味として学ぶならそれでも良いが……
たしかに、英語能力が高い人ほど年収が高く、年収1,000万円以上の人の58%が英語を流暢に話せるというデータがある。
英語を学んで流暢に話せるようになった人がその能力を認めてもらえる会社に転職し、年収アップに成功したのであれば英語の学びは自己投資だったといえるだろう。
しかし、英語にせよ他の内容にせよ、学ぶことが目的化したり、リターンを得る投資であることを忘れてしまったりしている人も多いのではないだろうか。
学習を「自己投資」と位置付けてリソースを投じるなら、あらためてその投資でどんなリターンを得たいのかをはっきりさせるべきだろう。具体的には、「いくら年収を上げたい」「英語を使うこんな仕事をしたい」といった目標と、期限を決めて取り組んだほうがいい。
趣味として学ぶことを否定しないが、ただ漫然と学んでも何も身につかないし、何も得られないかもしれない。貴重な時間とお金を費やすなら、「学習は自己投資であり、時間は有限」という点をあらためて意識したほうが良いだろう。
文/編集・dメニューマネー編集部
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