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日経平均株価はまだ上昇する? PERから見る下落タイミング

2023/02/13 07:00

日経平均株価株価は1月4日につけた2023年の安値2万5661円から、2月7日には2万7821円まで上昇した。上げ幅は早くも2160円(8%)に達している。大方の経営者や市場関係者の予想と異なり日本株の動きが堅調だ。 昨年の株安を発端とした米金利上昇が一服し、年内にも利下げに転じるとの期待が世界株高を演出している。しか

日経平均株価株価は1月4日につけた2023年の安値2万5661円から、2月7日には2万7821円まで上昇した。上げ幅は早くも2160円(8%)に達している。大方の経営者や市場関係者の予想と異なり日本株の動きが堅調だ。

昨年の株安を発端とした米金利上昇が一服し、年内にも利下げに転じるとの期待が世界株高を演出している。しかし、企業業績は減速しており、株の上昇はスピードが速すぎるようにも見える。日経平均株価株価はまだ割安なのだろうか?

年初の日経平均株価は10ヵ月ぶり安値からスタート

日経平均株価は2023年の最初の取引日(1月4日)に377円(1.4%)安の2万5716円と、2022年3月15日以来の安値で終えた。米国の高インフレが続いており、米国の中央銀行である連邦準備制度理事会(FRB)が利上げスタンスを続けているからだ。

利上げはインフレ抑制効果があるが、景気を冷やすマイナス面も大きく、株式市場にはネガティブ視されている。加えて、年末年始に中国でコロナ感染が拡大したことも株安のきっかけとなった。

日本経済新聞は年初に、主力企業の経営者やストラテジストなど市場関係者に年間の日経平均株価予想をアンケートする。経営者予想では、日経平均株価高値平均は3万1200円で時期は10〜12月。安値は2万5000円台で3月だった。

市場関係者は、高値平均は3万1377円で12月、安値平均は2万5061円で1月が多かった。市場関係者ですら1月はほとんどの人が下落すると予想していた。専門家の1月〜3月安値予想は完全に外れている。

米利上げピークアウト期待と中国ゼロコロナ政策解除で日経平均は2000円高

米国の年初からの雇用統計や消費者物価指数(CPI)などの重要経済指標で、インフレの減速と米景気の底堅さが確認された。米利上げが夏頃にもピークアウトして、年後半には利下げに転じるとの期待が広まった。

昨年の米国市場が調整した最大の懸念材料はインフレと景気後退懸念だっただけに米国株が先行して上げ始め、日本株もそれに合わせて上昇しはじめた。

日本株はまだ買えるのか?PERから見た日経の下落タイミング

昨年の米国株、日本株は年間でマイナスのリターンだった。インフレ、景気後退懸念で、機関投資家はかつてないほどの弱気になっている。リスクをとらず、歴史的にもかなり高いキャッシュポジションにしている。

ヘッジファンドは金利上昇でテクノロジー株の空売りポジションを多く保有していた。今年に入ってからの日米株の急回復は、その買い戻しという見方が強い。日米ともに、企業業績が減速しており、新規で買いを入れるような環境とは言い難いからだ。

株価の割高、割安をみるのに最も一般的なのがPER(株価収益率)だ。企業業績(一株当たり利益(EPS))に対して、株価が何倍まで買われているかという尺度である。

日経平均株価の予想PER日経平均株価採用225社のPER)は1月4日で14.95倍だった。2月7日には16.48倍まで上昇した。企業業績の下方修正で日経平均株価の予想EPSが1720円から1679円に低下。

その間、株価が上げたから割高感が増している。過去3年の日経平均株価の予想PERは15倍〜17倍のレンジで動いている。

しかも、日経平均株価EPSはソフトバンクグループ<9984> とメガバンクのウエートが高い。2月7日にソフトバンクが大幅赤字決算を発表した。今後日経平均株価の予想EPSが切り下がるなら、さらに日本株の割高感が意識される可能性もでてきた。

アップル、アマゾン、グーグルなどが下方修正した米国も状況は似ている。あまり高値追いしないほうがよさそうだという専門家が多いのはそのためだ。エントリータイミングは慎重にうかがいたい。

文/編集・dメニューマネー編集部

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