会社で上司から「競合にイニシアチブを取られないように」などと指摘されたことはないでしょうか。また、ニュースで「世界の気候変動に関する国際イニシアチブ」といった言葉を聞いたことがあるかもしれません。

耳にすることの多い「イニシアチブ」という言葉。漢字（日本語）にすると2字で書けますが、どう書くのか分かりますか？

「リーダーシップ」とは違う？

イニシアチブは、ビジネスでは「リーダーシップ」と似た使われ方をしますが、異なります。

「イニシアチブ」は率先して行動することや主導権を持つという意味があり、自ら積極的に行動を起こし、新しい活動を始めることを指します。

たとえば、新しいビジネスを立ち上げたり、新しい取り組みを開始したり、アイデアを実践していると「イニシアチブ」していると言えるでしょう。

また、他の人にイニシアチブを求める場合もあります。たとえば、組織で新しいプロジェクトを始める際にメンバーに新しいアイデアを出してもらう場合に「イニシアチブ」を求めます。

「イニシアチブ」とは漢字で「主導」と書けます。国立国語研究所「外来語」委員会は、「自ら率先して先頭に立ち、他を導くこと」または「率先して提唱する政治の方針」と説明しています。

リーダーシップは、人々を動かし、指導していくことを言います。影響力を持ち、組織を牽引していくことなど、リーダーシップには様々な要素があり、責任感、意思決定力、信頼性などがあります。

イニシアチブは「主導」または「発議」

前出の委員会は使い方・用例として、「市町村のイニシアチブのもと，地域住民の参画を得て作成した地域全体の振興計画」と「国際法の枠組みを変えてしまおうというイニシアチブ」を示しています。

また、文脈によって「率先」と言い換える方が適切な場合もあり、たとえば「イニシアチブを取る（握る）」という形などでは，「率先する」「主導権を取る（握る）」と言い換えるのが適切だとしています。

また「発議」という意味では、「○○イニシアチブ」という形で，発議した人物や，発議があった場所、その目的や内容をつけて使われます。たとえば「沖縄イニシアチブ」「ASEAN統合イニシアチブ」といったもので、こうした場合は、「○○構想」「○○行動計画」と説明すると分かりやすいと解説されています。

文/編集・dメニューマネー編集部

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