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スシロー、3四半期ぶりの黒字で株価上昇!「迷惑行為」問題は乗り越えられるか?

2023/02/15 07:00

回転寿司での「客テロ」が社会問題化している。1月29日、スシローの来店客が醤油ボトルや湯飲みをなめ、レーンの寿司に唾液(だえき)を付けるなどの悪質ないたずら動画が拡散され。 スシローを運営するFOOD & LIFE COMPANIES <3563> の株価は2月1日の145円(5%安)の2870円と

回転寿司での「客テロ」が社会問題化している。1月29日、スシローの来店客が醤油ボトルや湯飲みをなめ、レーンの寿司に唾液(だえき)を付けるなどの悪質ないたずら動画が拡散され。

スシローを運営するFOOD & LIFE COMPANIES <3563> の株価は2月1日の145円(5%安)の2870円と急落した。1日で時価総額168億円が吹っ飛んだ格好だ。

スシローは迷惑行為を乗り越えることはできるのだろうか?

テロ後の好対応と決算で株価が切り返す

悪質動画が話題になったあとにスシローは素早い対応をとった。1月30日には、客テロ発⽣の事実を発表。2月1日には、発⽣していた店舗や日付の特定、対象店舗では湯飲み、醤油差し等の消毒を行ったこと、テーブルとレーン間にアクリル板設置することなど防止策を発表している。

2月7日に発表した23年9月期第1四半期(10〜12月)決算は、売上5%減の680億円、最終利益80%減の6億円と減収減益だった。

しかし、最終利益が3四半期ぶりに黒字化したことを好感し、当日の株価は急回復、2月8日には3330円と22年4月以来10ヵ月ぶり高値をつけた。テロ後の対応が素早かったこと、決算発表が株の戻りを牽引したのだろう。ライバルの「くら寿司」が2022年7月高値から3割下げた株価位置にあるだけに目立つ動きだ。

スシローは、2021年の寿司ネタキャンペーン、2022年の生ビール半額キャンペーンで商品が行き渡らない「おとり広告」が問題化し、客足が減少した。加えて、原燃料高でコストが上昇したこともあって、2期連続で最終赤字だった。

月次動向は、2021年10〜3月期は4.3%減、22年4〜9月期は3.4%減と回復してきていた。ただ2022年10月に値上げしたこともあり、10月18.5%減、11月25.2%減、12月22.3%減と再減速していた。

2023年1月は10.4%減と回復傾向。おとり広告問題は長引いており、1月はくら寿司の0.1%減に対して回復が遅れている。テロの影響で2月動向は気になるが、現状で黒字化した体制は評価できるだろう。

株価への影響は短期的

バイトテロが話題になったケースとして2019年2月のくら寿司がある。大阪の店内でアルバイト従業員がハマチの切り身をゴミ箱に捨てた後、もう一度まな板に載せる動画が拡散された。拡散後2月6日のくら寿司の株価は2%安と売られた。

実際、2019年のくら寿司の株価はスシローに対して値動きは悪かった。

しかし、その後21年にスシローのおとり広告問題が起きるまでは、同じような動きに戻っている。今回の問題は、基本的には短期的な影響だろう。

業界の安全志向が高まること期待

今回の株高は、回転寿司チェーンが毅然とした態度をとったこと、レーンの保護対策を早急に決めたことなど、グローバル産業として、今後の顧客重視、安全重視の方向性が見えたことを評価しているのかもしれない。

SNSでは嫌悪感が投稿される一方、「#スシローを救いたい」のハッシュタグも広まった。ホリエモンこと堀江貴文氏やYouTuberのはじめしゃちょーといったインフルエンサーがスシローに行く姿も動画などでアップされた。回転寿司に対する期待は大きい。

文/編集・dメニューマネー編集部

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