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40代で住宅ローンを組む人が「返済しきる」ための4つのチェックポイント

2023/02/16 07:00

40代でマイホームを買って住宅ローンを組む場合、厳しめの返済計画を立てたほうがよいでしょう。40歳から60歳の間に教育資金や老後資金も準備しなければならないからです。やや遅いスタートの住宅ローンを無事に返しきるには、事前にチェックすべきポイントがあります。 1 返済額は「手取り年収の20%」以内か 住宅ローンを無理なく

40代でマイホームを買って住宅ローンを組む場合、厳しめの返済計画を立てたほうがよいでしょう。40歳から60歳の間に教育資金や老後資金も準備しなければならないからです。やや遅いスタートの住宅ローンを無事に返しきるには、事前にチェックすべきポイントがあります。

1 返済額は「手取り年収の20%」以内か

住宅ローンを無理なく返すには、年間の返済額を手取り年収の20%以内に抑えるのが理想です。20%が無理でも25%以内にはしたいところです。

たとえば手取り年収が400万円の人なら、その20%は年間80万円(月額約6万7,000円)となります。借入期間25年、金利1%だとすると借入金額の上限は約1,780万円です。

この借入金と自己資金の合計が購入できる物件金額の上限となるわけです。

通常、金融機関では返済負担率を手取りではなく、額面年収で算定します。フラット35の場合、返済負担率の基準は年収400万円未満で30%以下、400万円以上で35%以下です。

手取り年収400万円の人の額面年収が約500万円だとすると、その35%は175万円(月額約14万6,000円)と大幅に増えます。借入期間25年、金利1%の借入金額の上限も約3,870円と、約2倍です。

借りられる金額と無理なく返せる金額には大きな差があることが分かります。

2 住宅ローンの返済以外の支出や貯蓄と両立できるか

住宅ローンの返済額は、教育資金や老後資金準備など、ローン返済以外の支出や貯蓄と両立できるか考え、返済できる範囲で設定しましょう。

40代は収入が増えてくる年代ではありますが、特に子どもの教育費もピークに近づきます。また、老後も見えてくる時期でもあります。住宅ローンの返済に偏らない家計になるように調整が必要です。

3 60歳など定年する時点の残高が1,000万円以内か

60歳など定年を迎える時点のローン残高が、1,000万円を超えないような計画を立てましょう。年金生活者になってからの住宅ローンの返済は老後破たんにつながりかねないので、できれば65歳までに住宅ローンを完済するのが理想です。

今の現役世代で、60歳以降にまったく働かない人は少ないと考えられますが、60歳以前に比べて収入が減る可能性は高いでしょう。退職金や貯蓄での繰り上げ返済と60歳以降の収入で65歳までに返し終わるには、ローン残高1,000万円が限界といえます。

4 金利上昇に耐えられるか

変動金利で住宅ローンを組む人は、将来金利が上昇した場合にも返済しているかのチェックも重要です。2022年にはフラット35の金利が上昇しており、遅れて変動金利が上昇していく可能性も考えておく必要があります。

ローンの試算をする際の金利を1%程度にして、返済計画を立てるとよいでしょう。

マイホームを買う人の多くは、30代後半から40代前半です。家族の人数や自身のキャリアなどが固まり、将来のライフプランの目処を立てやすい時期だからと考えられます。よいタイミングではありますが、定年までの期間が若干短い点を意識し、借りすぎには十分注意しましょう。

文・松田聡子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部

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