中小企業の会社員は早めに転職すべき?職場が人手不足で倒産する前に

2023/02/18 08:00

人手が足りない中小企業の社員の中には、どんなに忙しくて辞めたくなっても、「自分が辞めたら迷惑がかかる」と考えて踏みとどまる人も多いでしょうが、さっさと転職を考えたほうがいい場合もあります。人手不足が理由の倒産がさらに増えるかもしれません。 明らかに職場が人手不足の場合──今すぐ転職活動を始める ながらく「日本は給料がな

人手が足りない中小企業の社員の中には、どんなに忙しくて辞めたくなっても、「自分が辞めたら迷惑がかかる」と考えて踏みとどまる人も多いでしょうが、さっさと転職を考えたほうがいい場合もあります。人手不足が理由の倒産がさらに増えるかもしれません。

明らかに職場が人手不足の場合──今すぐ転職活動を始める

ながらく「日本は給料がなかなか上がらない」と言われ続けてきましたが、実際に、賃上げされないことが不満の社員が辞め、経営に行き詰まる、そんな「賃上げ倒産」が問題になりつつあります。

企業の倒産などを調べている帝国データバンクによると、 2022年に判明した人手不足倒産は140件あり、そのうち、従業員や経営幹部などの退職・離職が直接・間接的な理由になった「従業員退職型」の人手不足倒産は、少なくとも57件あったそうです。

これが多いのか少ないのかというと、多くの産業で人手不足感がピークに達した2019年以来、3年ぶりに前年比で増えたとのことです。帝国データバンクは、「『賃上げ倒産』急増の前兆」と指摘しています。

ここから見える構造はこのようなものでしょう。

①企業の中には賃上げして良い人材を囲おうとする企業も出てきている→②給料が上がらない会社に勤めている良い人材は、辞めて高給を出す企業に移る→③給料が上がらない企業の業績・経営は、いい人材がいなくなったため苦しくなるし、残った社員の業務量も増える→④人材不足が深刻で、給料も高くない会社の求人はいつまでも埋まらない

中小企業の多くは、給料を上げるとコストがかさむので賃上げしたくないものの、給料を上げないと社員が辞めてしまうというジレンマに陥っているわけです。

「忙しくて転職活動をする時間がない」なら状況は変わらない

ここで気になるのは、自分はどうすべきかということでしょうが、まず明らかに職場が人手不足で、かつ給料が上がる見込みがない場合は、今すぐ転職活動を始めましょう。

中小企業で人手不足であるのに、賃上げの見込みがない会社では、すぐに人材が補充されない可能性が高いからです。業務の効率化を提案しても、導入コストなどの問題で難しいでしょう。

「忙しくて転職活動をする暇がない」という人もいるでしょうが、今はスマホでエントリーもできますし、今の会社にとどまっても事態が好転する見込みがないなら、週末や終業後などになんとか時間をつくるしかありません。

また、実際に転職するかどうかは別として、自分の市場価値を把握するためにも、転職エージェントなどに登録しておいて損はありません。

文/編集・dメニューマネー編集部

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