年金暮らしでも、年金やその他の所得が一定額以下なら確定申告はしなくてよいが、必要になるケースもある。見落とされがちなケースとして、「医療費が10万円以上かかった」「生命保険料や住宅ローンを支払っている」「ふるさと納税をした」などがあるが、その他にも見落とされやすいケースが3つある。
ケース1 バリアフリーなどの改修工事をした
自宅のバリアフリー改修工事をした場合は、「工事の日から6ヵ月以内に居住していること」などの要件を満たせば、確定申告で一定の金額を控除できる。
支払いに住宅ローンを利用しなかった場合の控除額は、原則として工事費用の10%だ。
たとえば、工事費用が100万円かかったなら10万円の控除、200万円であれば20万円の控除になる。
ただし、工事費用が300万円の場合、控除額は30万円ではなく20万円になる。これは、控除対象限度額が200万円に定められているからだ。
確定申告する際は、「増改築等工事証明書」「介護保険の被保険者証の写し」といった書類を添付しないといけないので、工事業者などに相談して発行してもらおう。
ケース2 配偶者と離婚・死別して家族構成が変わった
配偶者と離婚・死別して家族構成が変わった場合、「寡婦控除」に当てはまり確定申告すると還付金が戻ってくることがある。
寡婦控除とは、夫と離婚または死別をした女性が、所得の合計額が500万円以下の場合に受けられる所得控除のことだ。
寡婦控除に該当すると、27万円の控除を受けられる。
ケース3 災害・盗難などで損害を受けた
地震や火事、害虫、盗難などにより損害を受けた場合、「雑損控除」が受けられることがある。
具体的な控除額は、損害の度合いや所得などによって変わる。
たとえば、所得の合計額が400万円の人が火災に遭い、それにより500万円に相当する資産を失ったと判断され、被害を受けた住宅の取り壊しや撤去に100万円がかかり、保険金などで補填される金額が300万円だった場合、控除額は260万円になる。
確定申告するときは、資産を取り戻すための支出金額が分かる領収書などを添付しなくてはならない。
確定申告を忘れても5年以内なら還付を受けられる
過去の申告忘れに気づいた場合も、対象となる年の翌年1月1日から5年間であれば還付を受けられる。
2018年以降の分なら、今年・2023年12月31日まで申告できるので、申告忘れがなかったどうかも確かめてほしい。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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