立地・価格査定・シミュレーション……不動産投資の重要なことは全部AIにお任せ?

2021/12/29 15:00

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人工知能(AI)は自動車、医療、農業、物流、飲食など様々な分野で利用されており、不動産投資の世界も例外ではありません。AIは不動産に関する情報やノウハウを初心者にも分かりやすく提示してくれるようになりました。いったいAIは不動産投資をどれくらい変えたのでしょうか。 AIはビッグデータを利用した情報提供が得意 不動産業界

人工知能(AI)は自動車、医療、農業、物流、飲食など様々な分野で利用されており、不動産投資の世界も例外ではありません。AIは不動産に関する情報やノウハウを初心者にも分かりやすく提示してくれるようになりました。いったいAIは不動産投資をどれくらい変えたのでしょうか。

AIはビッグデータを利用した情報提供が得意

不動産業界では、これまでプロが情報を独占し、勘と経験に基づいて行われてきましたが、今ではAIにとって代わられようとしています。

不動産の分野でAIがどう役に立つかというと、まず「立地」に関する情報を具体的に教えてくれます。

不動産投資では、立地(ロケーション)は最も重要です。不動産投資では「立地で間違えると絶対に成功しない」と言われます。好立地は常に賃借ニーズがあり、空室リスクを軽減してくれます。立地のよいエリアとして「ターミナル駅から徒歩10分以内」とか「企業や大学のあるエリア」とか言われますが、AIはこうしたことを具体的に教えてくれます。

AIを使って過去の人口動態から現在の賃貸需要や将来の人口を予測し、地図上に示すサービスがあります。さらに、そのエリアの商業活動から、住みやすさや生活の便利さを判定したり、競合となる賃貸アパートやマンションの数などをデータ化したりしています。そうしたデータから、選んでいい立地かどうかを判断できるわけです。

将来の売却見込み価格も査定してくれる

また不動産投資で重要な「物件価格の査定」でもAIは力を発揮します。不動産投資では、物件が高く売れるかがとても重要です。たとえ「物件を売る」のではなく「保有して家賃収入を狙う」のであっても、何らかの事情で売ることになるも考えておかなければいけません。

不動産投資の成否は、家賃収入の総額と物件の売却金額の合計が、購入金額(ローンも含めた支払総額)と運営管理コストを上回るかどうかで決まります。

そのため、不動産の価格査定は極めて重要です。その手法はたくさんあります。たとえば近隣の他物件や条件の似ているエリアの価格から推定する手法(取引事例比較方)があります。不動産会社の営業担当者は、さまざまな角度から物件にスコアをつけて、手作業で物件価格を割り出します。

一方のAIは、営業担当者よりもはるかに膨大な量の取引事例を使って、より精度の高い将来の物件価格を算出します。物件を何年くらい保有し、いつになったら売却するのがいいのかまで示してくれるものもあります。

将来の収支シミュレーションも。ただAIは責任を取ってくれない

このほかAIは収支シミュレーションもしてくれます。その際、AIはさまざまなリスクも考慮してくれます。たとえば新築で買っても、物件は経年劣化しますし、周辺に競合物件がでてきたり、人口が減少したり、入居者を確保するために、将来、賃料を下げなければならないときがくるかもしれません。

AIは不動産投資家がより正しい判断ができる手伝いをしてくれるでしょう。今後、需要が高まり、AIの利用機会がもっと増えると思われますが、忘れてならないことは、失敗してもAIは責任を取ってくれないということです。

投資は自己責任です。あくまでもAIは道具に過ぎず、最終的な判断は責任を負う自分で下すことを強く認識しておくべきです。

文・株式会社フロア
編集・dメニューマネー編集部

(2021年4月22日公開記事)

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