投資を始めるべき人、始めてはいけない人

2021/12/24 19:00

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「投資を始めたいけど、今始めるべきなのか?」「自分には早すぎないか?」「続けられるのかな?」と迷っている人は多いでしょう。果たして今が投資を始めるべきタイミングなのか、どうやって判断すればいいのでしょうか。 投資を始める基準は「余裕資金」があるかどうか 投資を始める基準は、ズバリ「余裕資金があるかどうか」です。余裕資金

「投資を始めたいけど、今始めるべきなのか?」「自分には早すぎないか?」「続けられるのかな?」と迷っている人は多いでしょう。果たして今が投資を始めるべきタイミングなのか、どうやって判断すればいいのでしょうか。

投資を始める基準は「余裕資金」があるかどうか

投資を始める基準は、ズバリ「余裕資金があるかどうか」です。余裕資金とは、「生活費と必ず必要になるお金を除いた金額」のことです。

余裕資金がない人がいきなり投資を始めるのは危険です。投資を始めたものの、生活費が足りなくなって買った投資商品を売らなければいけなくなると、損することがあります。中には期日がくるまで売れない商品もあります。

余裕資金はどれくらい必要か?

それでは「余裕資金」はどれくらいあればいいのでしょうか。目安として、半年分の生活費と、直近で確実に必要となるお金を確保したうえで、それより多い金額を余裕資金と考えるといいでしょう。

余裕資金を見積もるために、まずは自分の現在の「生活費」を把握しましょう。そのためには家計簿や家計簿アプリを活用したいところです。

たとえば、毎月の生活費の平均が15万円で、預金残高が300万円としましょう。すると、通常の場合、余裕資金は次のように計算できます。

預金残高300万円 - 生活費15万円×6ヵ月 = 余裕資金210万円

これに加えて、結婚をひかえており、1年以内に結婚式費用として100万円が必要という場合、余裕資金は次のように計算できます。

預金残高300万円 - (生活費15万円×6ヵ月 + 100万円) = 余裕資金110万円

まずは1ヵ月の生活費を把握した上で、直近で必要となる金額を洗い出してみてください。

家計簿をつけなくても、次の計算式でおおよその生活費を見積もることもできます。

前月末の預金残高 + 今月入金の給与の手取り額 - 今月末の預金残高 = おおよその生活費

ただし、半年分の生活費で問題ないかどうかは、働き方や職種、家族の状況によって異なります。人によっては、1年分の生活費を用意しておいた方がいい場合もあるでしょう。

たとえば次のような場合、いざという時に必要な生活費を多めに見積もっておくほうが安心です。

・実家暮らしではなく一人暮らし
・扶養家族がいる
・いざという時実家からの援助を望めない
・家賃など固定費が高い地域に住んでいる
・転職が難しい職種
・持病がある

余裕資金があるのに投資していない人は損をしているかも?

余裕資金がない人が投資を始めるのはハイリスクですが、余裕資金がある人が投資を始めないことも、ある意味「損をしている」ととらえられるかもしれません。

超低金利時代の今、メガバンクの普通預金金利は0.001%。1,000万円を10年預けたとしても、資産はたったの数百円しか増えません。

一方、投資をして年利3%で運用できたとすると、1,000万円は10年後に1,267万円になります。投資によって、267万円も資産が増加するのです。こうやって数字で違いを比較すると、その差は一目瞭然です。

このように、「本来得られたかもしれない利益を得られない」ことを、「機会損失」といいます。余裕資金があるのに投資を始めていない人は、機会損失を生んでいるかもしれません。

余裕資金があるなら投資をスタートしよう

投資を始めてはいけない人は、余裕資金がない人で、投資を始めるべき人は、余裕資金のある人です。

預金だけでは、ほとんど資産は増えません。投資をしてお金自身に働いてもらってはじめて、効率的に資産形成ができるのです。最近では、20代・30代のうちから資産形成に取り組む人も増えてきています。

投資には確かにリスクがあります。しかし、余裕資金をしっかり見極めて投資することで、資産を失うリスクに備えられます。また、一般的に、長期間投資するほど値動きの振れ幅が小さくなり、リスクを抑えられるといわれています。

余裕資金があるにもかかわらず、「投資を始めるには早すぎる」ということはありません。計算してみて余裕資金があるとわかった人は、機会損失を生まないためにも、資産形成に向けた一歩を踏み出しましょう。

文・木崎 涼(ファイナンシャル・プランナー)
編集・濱田 優(dメニューマネー編集長)
(2021年4月23日公開記事)

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