将来・老後に備えたい

国民年金「保険料を支払わず放置」のは778万円を捨てると同じ?

2023/02/23 11:00

国民年金は、保険料を40年支払った後、65歳から20年間に満額でもらうと、受け取れる額は支払い総額の2倍近くになるお得な制度です。たとえ収入が大きく減ったり、失業したりして支払いが難しくなっても、免除申請すれば半額受けとれるかもしれないので、生活が苦しくても(苦しいからこそ)免除制度を知っておくことが重要です。 満額受

国民年金は、保険料を40年支払った後、65歳から20年間に満額でもらうと、受け取れる額は支払い総額の2倍近くになるお得な制度です。たとえ収入が大きく減ったり、失業したりして支払いが難しくなっても、免除申請すれば半額受けとれるかもしれないので、生活が苦しくても(苦しいからこそ)免除制度を知っておくことが重要です。

満額受給は約800万払い、20年で1550万円受け取れる

現在の保険料は1万6590円で、もしこれを40年間の支払うと総額は約800万円になりますが、65歳から平均寿命の85歳まで、20年間受け取れると総額約1550万円になります。受け取れる額は2倍弱にもなります。

すべての人が平均寿命まで生きているとは限らないので、支払額が受取額を上回らない人も少なくありません。

払い続けるのが厳しい人は全額免除でも778万円もらえる

40年という長い間には、保険料の支払いが苦しい時期もあるでしょうが、そういう時は免除申請をすれば、保険料を支払わなくても、一定の額の年金を受け取れます。

全額免除されれば、受け取れるのは半額で、国民年金の満額は年間77万7800円なので、半額でも年間約38万9000円です(2022年時点)。20年にわたるとすると、778万円もらえます。

しかし免除申請せず放っておくと「未納」となり、年金が受け取れなくなる可能性があります。将来年金を受け取るためには、保険料を10年以上支払っている必要があります。

つまり、同じように「保険料の支払いが厳しい」人でも、申請して全額免除されたら保険金が半額受け取れるのに対し、放置した人はまったく受け取れないので、その差が778万円になるかもしれないわけです。

全額免除でなくとも段階的に免除できる

全額免除されるには、一人暮らしの場合、所得が57万円以下(源泉徴収後)などの条件が必要で、その割合は全体の25.8%と高くありませんが、全額免除のほかにも、4分の3免除、半額免除、4分の1免除があります。

適用される所得の目安は、4分の3免除で93万円、半額免除が141万円、4分の1免除が189万円です。

それぞれ受け取れる年金額は、支払額を4分の3免除された(4分の1納付、4150円)場合は満額の8分の5、半額免除(8310円)なら8分の6、4分の1免除(4分の3納付、1万2460円)は受取額が8分の7です。

保険料の全額支払いがどうしてもできないなら、この制度をうまく使い、できる範囲で支払うとよいでしょう。

文/編集・dメニューマネー編集部

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